閃光のハサウェイ観てきたよー
ネタばれ含むので、そこは注意してほしい。
タイトル:
上映会場:
TOHO CINEMAS
上映時間:
95分
映画公式:
【閃光のハサウェイとは】
機動戦士ガンダムの富野由悠季監督による原作小説が元となっている映画作品。機動戦士ガンダム 40周年記念企画として映像化され、劇場映画 3部作として発表されている。原作小説も 上・中・下 3部作となっている。
原作となっている小説が執筆されたのは、1989年になるので、もう20年以上前になる。
小説版は、同じく小説作品の「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」の続編という位置づけで執筆されているが、今回制作された劇場版 閃光のハサウェイ は、同じく劇場版 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア の続編という位置づけで制作されている。
【論評】
機動戦士ガンダムという作品は、群像劇としての性質も持っている。そして、原作者である富野由悠季独特の節回しや、行間に込められたニュアンスなどもあり、単なる完全懲悪のロボットアニメとして見ることができない作品だ。
映像化で難しいところは、文章の行間をどう表現するか?ということだと思う。
本作においては、効果的なビジュアル、効果音の演出もあり、シーンの臨場感のほかに、登場人物のちょっとした機微を表現しているように感じられた。
物語りは、これまであった「ジオン」という連邦の明確な敵がいなくなったあとの世界が、より貴族主義的な特権階級を作り上げ、貧しい一般市民との格差を広げていくことで、連邦政府高官の腐敗を描いている。
高官たちは、序盤のハイジャック・シーンでも、テロリストに対し、なぜか自分は害されないと思っている節があった。
これは、犯人の目的が身代金と分かったからだけど、このことによって、政府上層では、当たり前のように、なんでも金で解決する習慣(賄賂)が根付いているということが察せられる。
これをハサウェイは、マフティとして粛清していくわけだけど、結果、やっていることはテロに過ぎないので、どのみちロクな死に方をしないと、序盤から覚悟をみせていた。
本作のヒロインであるギギ・アンダルシアは、富野由悠季の描くヒロインだな。という感じ。
ティーン・エイジゆえの清冽さ、傲慢さがありつつ、セクシャル。行動は挑発的。肝っ玉が太いようで、内心は実に繊細というアンバランスさが、実に良く描けている。
ギギの場合は、その生い立ちゆえの清濁併せのむ度量の大きさ、もしくは諦観もあり、より、大胆な部分と繊細な部分のギャップが大きくなっており、それがマッチする人にとっては、たまらないと感じるヒロインだと言える。
【感想】
原作小説があるので、ある程度結末が分かっているけれど、ベルトーチカ・チルドレンからではなく、劇場版逆襲のシャアから続く作品なので、そこがどのように影響するのか、気になるところ。
さて、三部作の一発目。本作の設定的に、全体的に話しが重苦しいので、暗い作風ではあるけど、掴みは OK といったところ。
ヒロインは10代女子らしく、奔放でかわいらしいし、モビルスーツ戦闘も映像と SE 演出もあり、臨場感たっぷりでド迫力だった。
個人的に気になったのは、ハサウェイ役が、佐々木望から小野賢章に変わっていたこと。
観ていて、佐々木望の演ずるハサウェイそのままくらいだったので、一瞬、「小野賢章でなく佐々木望で良かったんじゃ?」とも思ったけど、作中で、ハサウェイがマフティを演ずるように、キャストでも小野賢章が佐々木望を演ずることで、ハサウェイというキャラクターの厚みを出したかったのかな?と、思い直しました。
また、佐々木望が 54歳というのを考えると、経験を積みすぎて、ハサウェイの未熟な部分を出したくても、さらっと演技されてしまい、演出したい意図が伝わらないことを恐れたのかな?とも思いました。
ぼくは、TOHO CINEMAS で観たので、上映が始まる前に「ゴジラvsコング」の CM が入ってた。
劇中の終盤で、ペーネロペーvsクスィーの空中戦があったけど、正にそんな感じで、本来ならうざったいだけの CM が、良い煽りになっていてよかった。
特に、ペーネロペーは、怪獣みたいなエフェクト大目で、かなりテンション上がった!
40周年記念作品三部作の序章としては、これ以上ないくらいのクォリティで、否が応でも期待が増す作品でした。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ|冒頭15分53秒(Aパート)【5月21日(金)全国ロードショー】