オールラウンダー vs ストライカー
タイトル:
超RIZIN 3
開催場所:
7月28日(日) / 埼玉 / さいたまスーパー・アリーナ
公演公式:
試合結果
× 斎藤 裕 ( Saito Yutaka)
スタイル:オーソドックス
戦績:32戦21勝9敗2分け
年齢:36歳
身長:173cm
リーチ:171cm
獲得王座 (主なものだけ)
VS KO 2R 4分19秒
〇 久保 優太 ( Kubo Yuta )
スタイル:サウスポー
戦績:6戦5勝1敗
年齢:36歳
身長:175cm
リーチ:176cm
試合ルール:
日本屈指のオールラウンダーかつ、元 RIZIN フェザー級王者の斎藤選手に、K-1、Krush などキック・ボクシング世界王者経験を持つ、日本屈指のストライカーである久保選手が挑む!
総合格闘転向から敗戦が続き、特に某シバターとの一戦では、そのキャリア自体を汚すような結果になってしまった久保選手でしたが、その後、順調に総合格闘技のキャリアを重ね、4連勝を経て、遂に、斉藤選手に挑むところまで登ってきました。
先に言ってしまうと、その 4連勝は、その試合ごとに立ち技から総合格闘技への転向過程がよく伺える試合が多く、その (地道な反復であったろう) 練習の積み重ねが、イメージできて、久保選手の試合を見てきた方々には、とても感情移入しやすかったのではないかと思います。
前の試合では、高橋遼伍選手相手にキック・ボクシングのようなミドルを打っていた久保選手でしたが、この試合では、斎藤選手の肩口あたりに蹴り位置を変え、より MMA っぽい (安易にキャッチされにくい) よう、調整されていました。
また、前手の使い方も進歩を感じ、より、対戦相手が嫌がるような動きになっており、斎藤選手は、非常にやりにくそうにしていました。
距離感的には、斎藤選手の打撃間合いよりも、久保選手の方が遠いようで、そうされてしまうと、斎藤選手は安易にタックルにいけず、打撃戦が続きました。
斎藤選手は、遠い間合いでは、素早いステップからのサイドキックで、久保選手の膝を狙い、フックをフェイントにタックルを狙うなど、距離を詰める攻防をしかけますが、久保選手は上手に間合いを外し、斎藤選手を間合いに入れません。
斎藤選手はオールグラウンダーなので、相手の苦手なもので勝負したいため、先ずは自分の距離に詰めたいところ。1R には、やや強引に片足タックルを試みるも、コーナーを背にうまくいなされてしまう。
久保選手は、試合をとおしてうまく間合いを制し (コントロールというよりは"制す"と表現するくらい一方的だったように感じました)、得意の距離から打撃を当て、消耗した斎藤選手を押し込み、最後は、三日月蹴り (当たったのは膝かも) が決め手となり、KO 勝利を納めました。
グラウンドの攻防は無かったため、久保選手がどこまで対応できるのかはわかりません。
しかし、この試合でみせて久保選手の技術は、ストライカーには高い効果が期待できそうじゃありませんか?
そして、今、同階級では、鈴木千裕選手、平本蓮選手という、キック・ボクシングを背景に持つストライカーがいます。
試合後、久保選手は、鈴木選手との対戦を希望しました、
このマッチメイクが実現したとして、その試合までに、久保選手がどのような積み重ねをして成長するのか、とても楽しみです。
一方の斎藤選手は、オールグラウンダーとして、勝てる部分で勝負するというところまで持ち込めず、いわば完封されてしまった試合でした。
キャリアが浅ければ「なにくそ!」という気持ちにもなれるでしょうけど、王座獲得までキャリアを重ね、自分のスタイルを確立した後での完封負けは、相当メンタルにくると思います。