でゅら~の暇つぶし

音楽情報を中心に、さまざまな情報をとりまとめるブログです。

【NEWS】PARIS OLYMPIC 女子ボクシング66KG級で起こった選手の棄権について (2024.08.02公開)

 トランスジェンダーではなく、性別判定的な。

 これ、一概に何が悪いって言えないのが難しい。

 でもまあ、IOC が悪い。

 

www.nikkansports.com

 

 パリ五輪女子ボクシング 66kg級2回戦 Angela Carini (Italya) vs Imane Khelif (Algeria) において、Carini 選手が、試合開始 46秒で試合を棄権するという出来事がありました。

 Carini 選手側は、命の危険を感じたためとのことです。

 

 結果から申し上げると、直近の国際大会で女子として出場するのは NG と判断されているんだから、パリ五輪もそうするべきだったよね。

 しかし、それを押して出場許可しているのだから、その理由も説明しなければならなかった。

 もちろん、その内容は「パスポートに女性ってあるでしょ?」というのではなく、IBA の決定があった上で、どうして出場を許可するに至ったのか?が語られていなければならない。

 

選手の背景

 対戦相手の Imane Khelif 選手は、女性として生まれ、女性として育ち、女子ボクシング選手として参戦していましたが、2023年、IBA主催の世界選手権の性別適格性検査において女子カテゴリーでの条件を満たさなかったため、出場資格を剥奪されるという経緯を持つ選手です。

 

性別適格性検査とは

 性別適格性検査とは、選手の性別を判断する検査で、そうすることで、競技の安全勢を保つのが目的で実施されます。

 どのような内容かというと、染色体検査や主要男性ホルモン検査 (テストステロン値など) によって、女子選手 (または男子選手) として出場できるか?を判断する検査です。

 男女の性別差によって、同じような体格でも、筋力、筋量がことなるため、そのギャップを均すために導入されています。

 しかし、染色体検査にしても、性決定様式には Y 染色体が関与しないタイプがあることから、染色体検査が絶対かというと、そうではないため、性別を判断する検査としては適正ではないという判断が下されました。

 また、主要男性ホルモン検査 (この場合テストステロン値検査のこと) においても、高アンドロゲン症が原因であるケースもあり、この数値によって性差を特定するのはおかしいという議論が起こりました。

 しかし、テストステロンは、筋量や骨格について重要な働きをもつホルモンなので、男女の競技区分の際、無視するわけにはいきません。

 なので現状では、血中のテストステロン量で、女子競技に出場可能か判断されることが多いようです。

 

 たしか、オリンピック期間においては、現行の性別を確認するということはしていないハズです。

 では、なにを持って現行の性別を判断するのでしょうか?

 パスポートなどの身分証明書でしょうか?まあ、それはそうかもしれません。

 しかし、こういった競技がある場合は、世界大会などの出場記録に因るのではないでしょうか?

 このことについて、IBA が抗議文を発表してします。

 

IBA の怒り

 この件で、IBA が抗議文を発表しています。

 雑に意訳してみました。

 

www.iba.sport

www.iba.sport

 

IBAリリース意訳

 IBA は選手の身の安全を大事にしてんの!

 だから規定にも性差について記載してんの!

 そんで医療検査の結果、Khelif 選手は、女子選手として出場するのはフェアではないって結果になったの!

 Khelif 側は、この決定に不服があって控訴したけど、取り下げた。だから法的拘束力があんの!

 この決定は、ちゃんと理事会を開催して決定してんの!議事録もちゃんと残ってる!

 すべては今回のことのないように慎重を期して決定したのに、おまえらなんで出場を許可したんだよ!

 その理由を説明しろや!

 ことは選手の命に係わることぞ!まさか、パスポートにそうあるからとかぬかすなよな?

 それとも、ウチの決定は、パスポートの証明に劣るってことか?

 

 俺たちは、今後も選手の安全と健康第一でやっていくやで。

 

 ボクシングという競技の性質上、常に怪我が付いてまとわり、場合によっては命に係わるケースになってしまうことにもなりえます。

 だから、IBA は長年そこに取り組んでいて、大きな怪我など申告な事態にならないよう、レギュレーションを設定しています。

 今回、この試合で Carini 選手側は「命の危険を感じた」とコメントしています。まさに、こういうことの起こらないように慎重を期していたのです。

 それを IOC は、だいなしにしたのです。

 

どうすればよかった?

 これは、IBA の判断に沿っていれば未然に防げたことです。

 なので、五輪競技への参加は、直近の試合で女子選手として出場していたことや、もし、そうでなくて参加する場合は、IOC のおよび 関連競技団体による性別適格性検査を受けるなどして、ちゃんと判断すればよかった。

 また、五輪に男性/女性 のふたつでなく、トランス・ジェンダーといった第三の枠を入れるのも良いと思います。

 まあ、性別については、競技上、軽々しく男!女!と判断することが判断ことが難しくなってしまったので、その救済枠と言ってもいいかも。

 

 しかし、この件については、IOC の不可解な決定が問題です。

 五輪も、いまやプロ選手が活躍する場となっていますが、だからこそ競技者の安全は、IOC が率先して守っていかなければならないのでは?と思います。

 

 五輪って、毎年開催されるわけではないし、誰でも出場できる大会ではありません。

 競技者は、この日のために絶えず技術を高めてきたんです。

 それなのに、このように成果を発揮する機会を失われてしまいました。

 IOC は、本当に選手に顔向けできない決定をくだし、選手のキャリアに消せない傷をのこしてしまいました。 

 果たして、どのように責任を取るのでしょうか?