朝倉未来選手の復活は嬉しい。
けど、鈴木千裕選手に無理させすぎちゃいますか?
タイトル:
RIZIN 男祭り
開催場所:
5月4日(祝・日) / 東京 / 東京ドーム
公演公式:
試合結果
〇 朝倉 未来 (Mikuru Asakura)
スタイル:ストライカー (サウスポー)
戦績:24戦18勝5敗1無効試合
年齢:32歳
身長:177cm
リーチ:178.5cm
VS 3R 1分57秒 TKO (有効打による負傷のためドクター・ストップ)
× 鈴木 千裕 ( Chihiro Suzuki )
スタイル:ストライカー
戦績:20戦13勝6敗1無効試合
年齢:25歳
身長:173cm
リーチ:179cm
朝倉未来選手の対戦相手は、平本蓮選手の予定でしたが、平本選手の負傷によって、その対戦相手が鈴木千裕選手となり、成立したのがこの試合です。
鈴木選手と言えば、今年 3月、カルシャガ・ダウとベック選手と激闘を繰り広げたばかり。
ダメージも抜けきっていないでしょうし、本来、このような試合は、RIZIN が組んではいけない試合だった思います。
しかし、鈴木選手は、無理を押して出場してくれました。その心意気に称賛したい気持ちはあるのですが、このように RIZIN のいいように使い潰されやしないか、心配が先行してしまいます。
ストライカー同士の試合ですので、打撃がメインになるのかな?と思っていたのですが、朝倉選手は、打撃にこだわらず、テイクダウンを狙う作戦。
鈴木選手の打撃は、単に大振りなだけではなく、フェイントや細かいパンチも織り交ぜているので、見た目以上に、これに付き合うのはシンドイという判断なのだと思います。相手の得意分野ではなく、自分に有利に戦うというのは、総合格闘技的な考えで良いですね。
鈴木選手は、寝技が苦手というわけではないでしょうが、打撃全振りって感じで、グラウンドの技術は、朝倉選手の方に分があるのは明確だったと思います。そこに、前戦の激闘によるダメージが抜けきっていないこともあり、パフォーマンス的には、精彩を欠いた部分があるように見えました。
鈴木選手の過去の試合で印象に残っているのは、対ウガール・ケラモフ選手戦の決め手にもなった蹴り上げです。
これは、ケラモフ選手がパウンドに来たところを、三角締めを狙う振りをして当てたものでした。
なので、来るとわかっていれば、有効打は難しいと思います。実際、そうでした。
試合は、鈴木選手の有効打による負傷のため、ドクター・ストップによる TKO 負けという結果です。
鈴木選手は、大振りであるため、打撃によるカット・リスクが高い選手なので、そのデメリットの部分がモロに出てしまった感じですね。この試合では、朝倉選手が放ったカウンターによってカットしていました。
結果、打撃に付き合わない朝倉選手に、テイクダウンを取られて、寝技の攻防で傷口が広がってしまい、ドクター・ストップという展開になりました。
展開としては、朝倉選手が総合力で圧倒した感じですが、鈴木選手も決して万全ではなかったので、これで完全に格付けが終わったという試合でもないと思います。
しかし、鈴木選手は、寝技をどうにかしないと朝倉選手には、大分、難しいということが明らかになった試合でもあるので、ある意味、RIZIN フェザー級戦線が、より複雑になった結果でもあると思います。あと、フルスイングゆえの怪我との付き合い方。
そして、RIZIN の選手に対する運営姿勢問題も、再確認できたマッチ・メイクでもありました。
試合後、榊原社長による、反省するようなコメントもありましたが、似たような問題を繰り返している団体なので、今後も人気選手を団体の都合で、安易に使い潰そうとすることでしょう。
RIZIN が海外の格闘団体に劣っているのは、「RIZIN でしか見られない絶対王者」がいないことです。そこが PRIDE とは決定的に違うことですよね。
選手を使い潰して国内人気を保とうとしているウチは、そのような選手は現れませんから、RIZIN が世界的な格闘団体となるには、このままだと無理なんじゃね?そう思うマッチ・メイクでもあったと思います。
日本の総合格闘界、盛り上がっていて、明るいように見えますが、こういう風に考えると、あんま明るくないのかもしれませんね。