でゅら~の暇つぶし

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【雑談】KING CRIMSON 2021 日本公演 を振り返る (2021.12.09更新)

 2021年11月~12にかけて開催された King Crimson 2021 日本公演が幕を降ろし、3ドラム編成の King Crimson が完結しました。

 King Crimson のステージは、他のバンドよりも一期一会という感じが強い。

 それは、公演ごとにセットリストが異なるのと、日によって大胆にアレンジされることすらあるからだ。

 だから 1公演1公演が、唯一無二のステージとなる。

 そして、King Crimson に魅了されていく。

 

 全 8公演中が終わ、セットリストを振り返ることで、King Crimson の足跡を辿りたい。

 

 まずは公演情報のおさらいから。

 

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King Crimson ”Music is Our Friend” / www.creativeman.co.jp / www.dgmlive.com

 

タイトル:

  King Crimson ”Music is Our Firend” Japan 2021

    Robert Fripp (Gu)
    Jakko Jakszyk (Gu, Vo)
    Mel Collins (Sax, Fl)
    Tony Levin (Ba, Stick)
    Pat Mastelotto (Dr)
    Gavin Harrison (Dr)
    Jeremy Stacey (Dr, Key)

開催日程:

  11月27日(土) / 東京 / 東京国際フォーラム ※終演※

  11月28日(日) / 東京 / 東京国際フォーラム ※終演※

  11月30日(火) / 愛知 / 名古屋市公会堂 ※終演※

  12月02日(木) / 大阪 / フェスティバル・ホール ※終演※

  12月03日(金) / 大阪 / フェスティバル・ホール ※終演※

  12月05日(日) / 東京 / 立川ステージ・ガーデン ※終演※

  12月07日(火) ~ 08日(水) / 東京 / ブンカムラ・オーチャードホール ※終演※

TICKET:

  SS席 ¥20,000-

  S席 ¥16,000-

  ※当日券は各+¥1,000-

公演公式:

www.creativeman.co.jp

 

 東京、愛知、大阪で開催された、3都市8公演。

 3ドラム編成は、2015年12月7日 東京 文化村オーチャード・ホール開幕し、6年を経て、2021年12月8日 同じ場所で幕を降ろした。なんとうつくしいながれかと思う。

 追加公演が平日で、非常に残念がった方が多かったと思う。その中でも特に悔しがったのは、2015年をオーチャード・ホールで観戦した方々だろう。3ドラムの衝撃を体感し、それがどう結末したのか見届けられなかった後悔に苛まれていることだろうと思う。

 それでは 2021 セットリストを眺めてみよう。

 

2021 日別セットリスト

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※赤塗りつぶし=8回演奏曲

※緑塗りつぶし=6~7回演奏曲

※青塗りつぶし=3~5回演奏曲

※塗りつぶしなし=2回演奏曲

 

2021 日本公演曲目と演奏回数

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 赤塗りつぶしの基本セットを軸に、日程を彩るセットリストは、16曲~20曲で構成されている。

 人気の高い楽曲を中心に構成され、King Crimson ファンの求めるベスト・ヒットに近いセットリストだったのではないだろうか?

 バンドでも特に人気の高い "21st Century Schizoid Man" が演奏されなかったのは、11月28日だけ。この日しか参戦しなかった方は、さぞ悔しい思いをなさっているだろう。

 この曲は本公演において、パートの最後やアンコールで演奏されている。というのは、元々長めの曲である上に Gavin Harrison のソロが組み込まれており、バンドとしてもかなりエネルギーを使うアレンジになっており、セットリストの中盤に入れるのが難しかったのだろう。

 それに、派手で華のある楽曲なので、中盤に組み込んでしまうと他の楽曲との繋がりが絶たれてしまうと考えがあったのかもしれない。

 ※パート2 の1曲目 Drumzilla に注視すると把握しやすい。

 2021 ツアーは、~12月5日が正規日程で、12月7日、8日は追加日程という発表だった。

 12月5日という正規日程の最終日に、ツアー初演となる "Peace: A Beginning" を持ってくる大胆さといったら!それも "Pictures of a City" と並んでのセットリスト入りなので、「In The Wake Of Poseidon」導入部が再現されている。これにテンションが上がらなかったファンはいないと思う。

 12月7日にも "Peace: A Beginning" は演奏されているが、並びとしては再現になっていない。

 また、このツアーでは ”Larks 'Tongues in Aspic, Part One / Two” など関連付けしやすい人気曲が多く採用されているのも特徴だと思った。

 12月5日は機材トラブルがあり、Discipline を2回聴けるというご褒美があった。正直、「そういうアレンジです」と説明をされれば納得できたが、バンドの沽券に関わるのだろう。とても貴重な体験だった。

 2021 公演は、公演ごとの進化ともいえるアレンジの差が顕著だったようにも感じた。

 譜面通りではなく、その時感じたままにプレイする感じ。楽曲によっては、席で聴いていて「崩壊してしまう」とハラハラすることもあったが、そこから正調に戻る名人芸も堪能できた。

 それが味なのか、演奏ミスなのかはわからない。でもそれでいいと思った。

 King Crimson は編成ごとに楽曲制作やツアーを行い、その中で変化 (進化) し続ける。それが Robert Fripp のいう「非連続的な連続性」なのだろうと思う。それを特に濃く感じる出来事のひとつだった。

 そしてその都度、おわり と はじまり がある。

 この公演で、King Crimson は完結した。

 しかしそれは、3ドラム編成の完結であって、King Crimson の完結とイコールではない。

 だからぼくは、次の機会があると確信している。