でゅら~の暇つぶし

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【ライブレポ】KING CRIMSON " MUSIC IS OUR FRIEND " JAPAN 2021 (2021.11.27)

 セットリスト込み!

 なので閲覧注意!

 

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King Crimson ”Music is Our Friend” / www.creativeman.co.jp / www.dgmlive.com

 

タイトル:

  King Crimson ”Music is Our Firend” Japan 2021

    Robert Fripp (Gu)
    Jakko Jakszyk (Gu, Vo)
    Mel Collins (Sax, Fl)
    Tony Levin (Ba, Stick)
    Pat Mastelotto (Dr)
    Gavin Harrison (Dr)
    Jeremy Stacey (Dr, Key)

開催場所:

  東京国際フォーラム ホールA

公演時間:

  開場 17:00 , 開演 18:10
    第1部終演 19:15
    第2部終演 20:30

  

Part1 SETLIST 

  SE.

  01. Hell Hounds of Krim

  02. Pictures of a City

  03. The Court of the Crimson King
    ~with coda

  04. Red

  05. One More Red Nightmare

  06. Tony's Cadenza

  07. Neurotica

  08. Indiscipline

  09. Islands

Part2 SETLIST

  10. Drumzilla

  11. Larks' Tongues in Aspic, Part One

  12. Epitaph

  13. Radical Action II

  14. Level Five

  15. Starless

-enc-

  16. 21st Century Schizoid Man

    ~ Gavin Harrison drum solo

    ~ 21st Century Schizoid Man

 

公式サイト:

www.dgmlive.com

 

 本公演は、 King Crimson 3ドラム編成の集大成となる公演だと思っていた。

 しかし、それは真であり、偽であった。

 確かに、King Crimson 3ドラム編成は、このツアーで最後になる。しかし、過去の公演とくらべてどうだったか?というと、更にアレンジを加え、よりアグレッシヴ、アヴァンギャルドに、そしてプログレッシヴに進化していた。

 ぼくは、ネタバレを含めて楽しめる方なので、この公演に先立ち、USツアーや過去の映像をみたりしていたけど、「生で音を感じるとこうまで違うのか」と再確認させられたよ。

 US ツアー中に比べ、楽曲を 1~2曲足したセットリストで回る日本公演。つまり、演奏曲目が増えているということで、これは、ツアー中で更に変化していることの現れである。

 よって、公演中にも進化する可能性があることから、冒頭で「それは真であり、偽であった」と表現した。

 

 当日は、良席に恵まれ、1F SS席中央くらいで観ることができた。

 だから、後ろから返ってくる音もバッチリ聞こえる最高の環境で、 King Crimson を体感できて幸せだった。

 ステージは、3ドラムを前列に、後段が管楽器、キーボード、ベース、ギターといった編成。Robert Fripp は定位置だ。楽器・演奏が良く見えるようにって配置。そしてバックドロップは、宵闇色に染め上げられていた。いたってシンプル。

 演出は極力排除し、楽曲の力だけで勝負しようというストイックさを感じる。

 

 そして、音が鳴ると、一気に世界を染め上げる。

 3ドラムという特性。

 3人のプレイヤーが一糸乱れぬユニゾンで発する音圧。3人のプレイヤーそれぞれのパートを紡ぐ。前者は体中に浴びる感じ。後者は疑似的なAVシステムを構築し、左右の耳から入る音を計算されたかのようなパート割り。実に見事。実に楽しい。押し寄せる響きは、日本伝統の祭囃子のようですらあった。パート単位で表情を変え、実に多彩に鳴り響く。

 艶のあるサックス。うなるベース。哀愁を奏でるギター。ときにスリリングでエキサイティング。もう、最高としか言いようがない。音源で聴いても、同じように感動することはできないだろう。五感を超えて迫るものがあった。

 セットリストは、ここに”太陽と戦慄パート2”が入れば、まあ不満の出ようがないという隙のない構成。大満足である。

 15. Starless について。

 やや落とされた光量のスポットライトがステージを照らす。

 ステージ上のドラム・セットやサックスなど楽器の照り返しは、鈍く輝き黄昏刻の陽射しのよう。曲が始まり、世界は漆黒に染まっている。次第に強くなる狂気が、宵闇色のバックドロップを紅に染め上げていく。

 思わず「おぉ...」と感嘆の声が漏れてしまいましたよ。

 この日のアンコールは、16. 21st Century Schizoid Man だった。

 途中に Gavin Harrison のソロを挟み、そして戻ってくるという展開は、ありがちといえばそうだが、実際に体験してしまうと、こころをかき乱されてしまう。

 コロナ中ゆえ多くの来場者は抑えていたが、抑えきれない方々が、かけあいの声を出していた。これは仕方のないことである。会場内のレギュレーションに違反していないし。

 

 バンドをはじめ、ここに集まった全員が King Crimson というアイコンのもとに一致団結して作り上げた感が凄かった。

 みんなが予感している「King Crimson の集大成となる公演」。それがまさにここにあった!

 しかし、集大成とは日本公演全日程のことであり、この公演だけのことでない。

 ツアー中のバンドの進化を楽しみ、最終日にそれをみたものこそが、King Crimson の集大成を楽しんだものなのだと思う。

 

 フェス以外で、海外ミュージシャンが行う単独公演。その一発目が King Crimson

 バンド、マネージメント、レーベル、プロモーター関係者の皆様があってこそ、この公演があります。

 本当にありがとうございました!