でゅら~の暇つぶし

音楽情報を中心に、さまざまな情報をとりまとめるブログです。

【TECHNOLOGY】AR LIVE (2021.11.13更新)

 AR LIVE のネタを紹介したので、それに関する情報をまとめてみた。

 

 AR (Augmented Reality) とは、人間が知覚する現実世界を、コンピューターによって拡張する技術のことだよ。

 古くは、頓智ドットコムが展開していた「セカイカメラ」や、ロンドン五輪の演出なで用いられた技術です。

 

セカイカメラの紹介 (NHK Vision-e)

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 AR が世に出て以来、この「画面越しに現実を拡張する」技術と、エンタテイメント演出の試行錯誤が繰り返されおり、VR技術、ホログラフィックなどと合わせて、目にする機会が増えてきました。

 

 この投稿では、AR×エンタメがどのように発達してきたのかを、初音ミクという軸から辿ってみようと思います。

 なぜ初音ミクかって?AR 演出の歴史は、初音ミクとともにあるからです。

 

2011年
[ミクの日感謝祭 39's Giving Day] 恋スルVOC@LOID (feat. 初音ミク) / OSTER Project

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 初音ミクが、初めて画面を飛び出し、現実に拡張された年です。

 これは、透過スクリーンにプロジェクターで映像を投影して、立体的に見せる技術です。

 これまで初音ミクは、画面の中だけの存在でした。

 

2013年

初音ミク】NTTdocomo presents HATSUNE MIKU AR STAGE@六本木ヒルズ メトロハット REPORT MOVIE

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六本木ヒルズ初音ミクAR『HATSUNE MIKU AR STAGE』の模様

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 ここで AR 技術が用いられました。

 一定の場所にカメラを向けることで、その場に初音ミクを拡張します。

 近年では、新宿でAR謎解きという AR×銀魂のイベントがありました。

 

 

2014年

Hatsune Miku Full Opening For Lady Gaga May 20, 2014 St. Paul MN

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 技術的な発達ではありませんが、Lady Gaga ワールド・ツアーのオープニング・アクトとして、初音ミクが起用されました。

 会場のリアクションだと、ピンと来ていない感じですね。

 

 

2016年

N響 と共演 初音ミクプロジェクションマッピング椎名林檎

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 初音ミクがプロジェクション・マッピングで現実拡張された時の映像です。

 コンサート・ホール (NHK ホール) なので、壁面に初音ミクを投影してしまうと歪んでしまうから、初音ミクは透過スクリーンでした。

 楽器演奏に合わせて、プログラムされた VJ 演出が壁面を彩っているのが新しいですね。

 

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題名のない音楽会 "イーハトーヴ交響曲初音ミク・メドレー" / uroros.net/othernews/21648

 

 2016年は、もうひとつ大きな出来事がありました。

 7月24日に放送された「題名のない音楽会」は、同年5月5日に亡くなった冨田勲追悼特集でした。

 そこで、"イーハトーブ交響曲初音ミク" という特別プログラムが組まれ、オーケストラ演奏に合わせて初音ミクが歌唱・舞踏するという内容。

 上記画像の□に囲まれた "て" みたいなマークが AR マーカー。初音ミクを重ねる座標みたいなモノだよ。

 これは、オーケストラと初音ミクを同期させる必要があるので、画像には映っていませんが、上手側に操作のための卓が設置されていました。

 生演奏に完全同期させるって、かなり凄いことです。

 しかし、AR である以上、会場ではこの演出をみることはできなかったと思います。

 それが、AR x エンタメの弱点です。

 画面越しでしか確認できないので、装置がないと認識できない。

 

 

2018年

[TV Show] 千本桜 (Senbonzakura) - Hatsune Miku (初音ミク) Vocaloid Live Concert

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 テレビ朝日「ミュージック・ステーション」に出演したときの映像です。

 これも、透過スクリーンへの投影ですが、プロジェクターが後ろや上からの投影ではなく。下から上に投影しています。客席への配慮からでしょうか?

 また、スタジオ撮影からだからか、ライブ会場での映像より鮮明に映っています。環境だけでなく、技術の進化もあったのだろうことが推察できますね。

 透過スクリーンがあれば、画面越しでなくても AR 演出を楽しめる。

 

 

2020年

[LIVE] MIKU WITH YOU 2020 (Online Concert) Full HD 1080p - 未来有你2020

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 中国で開催された AR ライブの映像です。

 このイベントは、オンライン開催だったようです。

 観客がいないため、ステージ演出に透過スクリーンを用いる必要もなく、バックバンド演奏のステージに 映像演出を重ねています。

 生演奏なので、同期をとっていると思われますが、定かではありません。

 

 以上が、初音ミク×AR ライブの歴史です。

 他にも細かいものはありますが、代表的な例を紹介しました。

 

 ホログラフィックという切り口ですと、故人を復活させる目的でも用いられています。

 

2015年

【公式】【YOSHIKIインタビュー】DMM VR THEATER『hide crystal project presents RADIOSITY』

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 ホロ×ライブという組み合わせでは、国内だと DMM が早くから注力しており、頭ひとつ抜けている印象があります。

 インタビューで YOSHIKI がコメントしていますが、みなさん「あれ?HIDE 生きてんじゃん?」って錯覚に陥るとおもいます。

 これも、透過スクリーンを使用していて、存在感 (映像のリアルさ) が失われないよう、複数からの投影を重ねていると小耳に挟んだことがあります (内部の人に確認したわけではない)

 

 同じく、国内で AR といえば、AI × 美空ひばり がありましたね。

 

[NHKスペシャル] AIでよみがえる美空ひばり | 新曲 あれから | NHK

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 AI の歌声、きをつけて聞いていないと特有のノイズがわからないレベルまであがってます。

 ディープ・ラーニングの結果、とても美空ひばりの特徴をとらえた音源になっていますが、当然といえば当然ですが、表現力は厳しいですね。

 仕草などもご本人の特徴を捉えており、故人を面影をみることができます。しかし、映像が音源のレベルに追いついていない感は否めません。

 「映像は故人の映像を重ねてほしかった」そういう方も多かったのではないでしょうか。

 

 同じく ホロ×ライブで、今度は海外です。

 ぼくが一番好きなボーカリスト Ronnie James Dio が、ホロで復活しました。

 

Ronnie James Dio Hologram Rocks Pollstar Awards

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 これを見たとき、得も言われぬ怒りを感じました。

 登場した瞬間、だれがでてきたかもわからない雑な映像で Dio とか言われても「は?どこが?」としか思えなかった。

 とにかく、こんな雑な感じで Dio が復活? とか仕掛けたヤツを、許されることなら縊り殺したかった。

 このシリーズが、その後どうなったかというと...

 

Dio Returns - Last In Line/Holy Diver (Hologram) (Warsaw, Poland)

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 Dio の持つファンタジックな世界観に合うよう、アレンジされていました。

 こっちのほうが全然いい。だって、誰がでてきたのかが分かるから。

 それに、ステージセットや演出ともあってる。

 

 

 日本だと、バーチャル空間の渋谷でライブ・イベントもあったし、今後も、バーチャルを軸に現実に拡張、複合されていくことが予想されます。

 日本では事実上 COVID-19 は終息したような雰囲気になっていますが。ライブの観戦方法が現地観戦以外にも広がりました。

 それとともに、現地観戦とビューイングとで演出の差も見られるようになってきました。

 世界のライブ・エンタメが、今後どのようになっていくのか、非常に楽しみですね。

 

 

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