サクラ大戦25周年オーケストラ・コンサートに行ってきた。
タイトル:
サクラ大戦25周年オーケストラコンサート
~田中公平作家生活40+1周年記念~
出演
司会:田中公平 (Piano・Vocals)
日髙のり子(Vocacls)
指揮:宮松重紀
キャスト 新サクラ大戦 the Stage
関根優那 (天宮さくら役)
高橋りな (東雲初穂役)
寒竹優衣 (望月あざみ役)
平湯樹里 (アナスタシア・パルマ役)
沖なつ芽 (クラリス役)
ゲスト
森下唯 (ピアニート公爵, Piano)
エリック宮城 (Trumpet)
岩瀬立飛 (Drums)
開催場所:
文化村オーチャードホール
公演時間:
開場 / 17:45 , 開演 / 18:30 , 終演 / 20:45
PROGRAM
第一幕
01. 序曲 (新サクラ大戦より)
02. 巴里の恋人たち (サクラ大戦3より)
03. 巴里華撃団、デビュー! (サクラ大戦3より)
04. 道化 (サクラ大戦3より)
05. 希望の門 (サクラ大戦3より)
06. ネオン照らす町 ( サクラ大戦Vより)
~リトリリップシアター ( サクラ大戦Vより)
with 岩瀬立飛 (Drums)
07. コーヒー・ブレイク ( サクラ大戦Vより)
with 岩瀬立飛 (Drums)
08. 紐育歌劇団、レディー・ゴー!! ( サクラ大戦Vより)
with 岩瀬立飛 (Drums)
09. 恋する紐育 ( サクラ大戦Vより)
with 岩瀬立飛 (Drums)
10. 地上の戦士(最終決戦バージョン) ( サクラ大戦Vより)
with 岩瀬立飛 (Drums)
11. サクラ色協奏曲 (「サクラ大戦BGMメドレー」ピアノ編曲)
on Piano 森下唯 (ピアニート公爵)
第二幕
12. エンディング (劇場版「サクラ大戦 活動写真」より)
13. 未来 (ボヤージュ) (サクラ大戦3より)
on Vocals 日髙のり子、田中公平
14. すばらしき舞台 (サクラ大戦歌謡ショウ 第3回花組特別公演「紅蜥蜴」より)
on Piano Vocals 田中公平
15. 花咲く乙女 (サクラ大戦より)
~夢のつづき (サクラ大戦2より)
on Stage 「新サクラ大戦 the Stage」キャスト
16. 新たなる (新サクラ大戦より)
on Stage 「新サクラ大戦 the Stage」キャスト with エリック宮城 (Trampet)
on Stage 「新サクラ大戦 the Stage」キャスト with エリック宮城 (Trampet)
18. 新章ラスボス (新サクラ大戦より)
-enc-
on Vocals 日髙のり子、on Piano 田中公平
-enc2-
20. 誠花よ夢よ咲きほこれ (サクラ革命より)
~ つばさ (サクラ大戦歌謡ショウ 第2回花組特別公演「つばさ」より)
on Piano, Vocals 田中公平 独唱
-カーテンコール-
- フルオーケストラに心躍る夢のような一夜
人気ゲーム「サクラ大戦」制作 25周年および、作曲家 田中公平 40周年+1年 を記念し、同作品の楽曲をフルオーケストラでお贈りする記念コンサート。
本公演では、五輪を意識してか、フランスを舞台としたシリーズ「サクラ大戦3」からの楽曲も多く、本邦初公開というサプライズもあり、来場したファンを大いに楽しませる内容だった。
※次回五輪は2024年パリ開催
このプログラムでは、帝都、巴里、紐育の3都市を舞台にした作品の楽曲で構成され、第一幕ではオーケストラ編成でのインストゥールメンタル。第二幕では、キャストを招き入れ、歌アリの歌謡ショウ的な演出となっていた。
- 凝らされた趣向
サクラ大戦という作品は、舞台となった国や都市、年代をイメージし、楽曲を制作することで、より作品世界への没入感を高めている。サクラ大戦V は、舞台が紐育であることから、ガーシュインのようなシンフォニック・ジャズ調のBGM が多い。
本公演はオーケストラ編成なので、そのままだとどうしても堅苦しくなってしまう。そこで、ドラム (岩瀬立飛) を加えることで、より ジャズ調の雰囲気を強めた。
ドラムはアメリカ生まれの楽器であるため、より、楽曲への親和性が高く、音の感じも、オーケストラというよりは、ビッグ・バンドの赴きがあった。
また、第二幕の新サクラ大戦キャストを招き入れたステージでは、かつてのアイドル歌謡曲の雰囲気を強めるため、エリック宮城という著名奏者を加えることで、よりポップな世界観を強め、良い意味でオーケストラらしからぬステージを演出していた。
- キャラクターの声での歌唱
この日の司会・進行は、田中公平ご自身と、声優 日髙のりこだった。
日髙のりこは、サクラ大戦3、4 において、エリカ・フォンティーヌというヒロインのひとりを演じていた。
この日は、13. 19. という当時の曲を、当時のキャラクターの声で歌ってくれたのが印象深い。
また、新サクラ大戦キャストは、ゲームのキャストとはことなるが、ゲームやサントラで聴いたイメージを壊すことなく、舞台版キャストの良さを伝えることができたと思う。
- 田中公平の熱唱
本公演では、田中公平の演奏、歌唱パートもあった。司会・進行だけでなく、マルチにステージで立ち振る舞う元気な姿を拝見でき、安心できた。
※今年4月には体調を崩し、扁桃腺が腫れるということがあった
やはり、作曲した者が歌うというのは、特別な意味があるのだと思う。13. では、ひとりぼっちのエリカを支える大神さんのように。20. では、自らの存在意義を世界に見せつけるように。時に繊細に、時に熱を帯び叫ぶように歌唱する姿は、胸を熱くせずにはいられなかった。
- 所感
思い入れのある楽曲たちが、フル・オーケストラで繰り広げられるだけでも素晴らしいことだ。
しかし、この公演の真に素晴らしいことは、演者、運営、来場者のいずれも、この公演を楽しみにし、この日を迎えられたことを感謝し、この公演に立ち会えたことを喜びあえたことだと思う。
一方が一方を消費するだけでなく、ともに歩んでいける幸せ。そのように、サクラ大戦は、人に愛され続ける作品であって欲しいし、ともに支え合っていける作品であってほしい。
夢のようにも思えるが、本公演のような感動があれば、不可能ではないと感じる。とても良い公演でした。