【レポート】ドラゴンクエスト ユア・ストーリー DRAGONQUEST YOUR STORY (映画)
タイトル:
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
Dragonquest Your Story
上映会場:
TOHO CINEMAS
上映時間:
103分
封切りから、何かと物議を呼んでいるので、気になって観に行ったんだ。
結果、結構楽しめたんだけど、これは少数派の意見になりそう。
※CAUTION※
本記事は、ネタバレを含みますので、ご注意ください。
【 ドラゴンクエスト ユア・ストーリーとは? 】
ドラゴンクエスト ユア・ストーリーとは、国民的人気を誇るゲーム 「ドラゴンクエスト・シリーズ」 初となる 3DCGアニメ映画だよ。
シリーズとしては、「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」 が本作品にあたる。
まあ、ゲームをそのまま再現すると、かなり長くなってしまうので、ストーリーは、ゲームをモチーフに、映画用にアレンジを施されていた。
キャラクターの声は、声優ではなく、俳優をメインに起用しているみたいだけど、声の演技も上手で、違和感はなかったよ。
【 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー感想 】
一部の演出に疑問はあるけど、本作品、かなり楽しく最後まで観ることができたよ。
ただ、これを「ドラクエⅤ」だと信じて見続けると、苦痛しかないとも思った。
それはなぜかというと、本作は「ドラクエⅤ」をモチーフにしているけど、「ドラクエⅤ」の映画化作品ではないということ。これに尽きるだろう。
個人的にオチに不満はないけど、演出には疑問が残るんだよね。
まず序盤、唐突にドット絵のゲーム画面が映し出され、進行したこと。そして、終盤「コンピューター・ウィルスだ」とかやりはじめたあたり。
どういう効果を狙った演出かはわからないけど、スクリーンを見ていて全くの「無」だった。戸惑いや「寒い演出だわー」みたいな反応じゃなくて、全くの「無」。ただ画面を眺めて、時間が過ぎていくだけの時間があった。
ゲームをやったことがある人でも受け止めきれないのだから、そうじゃない方にとってはひたすら苦痛でしかないと思う。
でも、ドラクエの映画化を期待したなら、3DCDアニメ本編中は満足できると思う。
まあ、それでも、設定変更部分を許容できるか?って前提があるけどね。
3DCGは、アクションと合わせてピクサー・アニメーション・スタジオっぽかったし、ドラクエっぽさは、ストーリー以外薄目だったかも。
また、シーン毎としては、メイン・キャストとガヤって感じなので、そこでもドラクエっぽさは感じなかったかも。
ドラクエって、わりと街の住人の生活感とかこだわってた部分あると思うんだけど、そういうのが無かったってことね。
映画だから尺的に仕方ないのかもしれないけどね。
本作は、ちょっと中途半端な作りになっていて、それが残念ともいえる。
ドラクエを知っている人からすると、重要な設定がちょこちょこ変わっていて、集中できない。
知らない人にとっては、説明が不足していて、世界へのめりこむことができない。
こんな感じだろうか?
オイラは本作を観て、
「本当に好きなこと(もの)であれば、遠慮する必要はない」
「たとえゲームでも、過ごした時間は決して無為なものではない」
みたいなメッセージを感じることができたよ。
キモは、「かつてドラクエとともにあった自分が好きか?」ってこと。
まあ、「それをドラクエでやらんでも...」という声はあると思うけど、国民的人気のある本作だからやる意味があったんだと思いたい。
間違いなく言えることは、ドラクエの映画化ときいて、このような作品になると思う人はいないってこと。
だから、否定的な意見が多かったということ。
まあ、ファンの期待を裏切ったんだから当然だよね。
もっと言ってしまえば、この映画のオチも、割と沢山の人が考えついたと思う。
ただ、それをゲーム原作の映画でやったら反感買うとわかっているからやらないだろう。そういう類のオチ。
それをうまくまとめられたのは良かった。
【 ドラゴンクエスト ユア・ストーリーズは、どんな人にオススメ? 】
オススメする層はないと思う。
個人的には楽しめたけど、口が裂けても「是非、見てみて!」とは言えない。
なんつったって、「無」になる時間がある作品だし。
強いていえば、酷評が気になるなら、あえて観に行くのはアリだと思うって感じ。
逆にオススメしないのは、「ドラクエの映画化作品だと思っている人」、「ゲームの映画だから家族サービスにいいかもと考えている人」だね。