でゅら~の暇つぶし

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【NEWS】いわき信用組合不正融資問題 (2025.06.06公開)

 こーれ、組織ぐるみのマネロンっす...

 

www3.nhk.or.jp

 

 福島県いわき市に本店を置く「いわき信用組合」が、資金を不正に流用していた問題がありました。

 それを受け、第三者員会が調査した結果、その額、247億円にものもることが明らかになり、その規模のの大きさに、組合員は怒りに震え、はたで聴いているだけの一般人でも、戦慄を覚えるのでした。

 本件の恐ろしいところは、原因が理事会の専横なので、別に地域性の話しでもありませんし、もしかしたら、自分がお世話になっている金融機関がそうでない保証がないところにあります。

 この調査結果から、東北財務局は、いわき信用組合に業務改善命令を発出しました。

 

 東北財務局のページでは、業務改善の内容と、その理由が説明されているので、軽く読んでおくといいかもしれません。

 

lfb.mof.go.jp

 

 また、詳細な調査報告書を読みたい方は、下記から調査報告書へアクセスできます。

 ただし、附表付で243ページあるので、相当の時間と根気が必要です。

 

企業サイトからPDFへアクセスする場合

→【おしらせ】2025.05.30 不祥事に関する第三者委員会調査結果の公表について

www.iwaki-shinkumi.shinkumi.net

 

PDFに直接アクセスする場合

https://www.iwaki-shinkumi.shinkumi.net/pdf/20250530.pdf

 

 

 さてさて。

 まずは、経緯をざっと追いましょう。

経 緯

〇2024年09月~

 ・元職員によるSNS上での不祥事公表

  ※粉飾決算や不祥事に関する内容

〇2024年10月

 ・全国信用組合連合会仙台支店による、SNS投稿の情報共有

  → いわき信用組合調査結果:事実

〇2024年11月

 ・迂回融資、職員の横領などの発覚により、第三者委員会が設置される。

  ※実際に発覚した事案は多いので割愛

〇2025年05月

 ・第三者委員会の調査報告書公開

 ・東北財務局による業務改善命令発出

〇2025年06月
 ・金融庁による立入検査着手

 

 こんな感じ。

 業務改善命令から金融庁による調査が入ったという流れが、まーじ闇深いと思います。

 なぜなら、業務改善命令に従う素振りが無かったという流れからの、金融庁、怒りの立入調査だから。

 この、明らかに悪質なマネロン、横領の挙句、反省した素振りが無いって、相当やばいっす!

 

 

つまり、どういう事件?

 本件は、架空、迂回融資 (マネーロンダリング) と横領とが一体となった、反社会的組織もびっくりの、非常に悪質な組織犯罪です。そして、それを約20年に渡り隠蔽しつづけてきたというのが、この事件の全貌?です。

 これ、われわれ一般市民の立場でも、決して対岸の火ではありません。

 なぜなら、本件に、勝手に名義を作られて、迂回融資に使われている事案が含まれているからです。

 一時期、闇バイトで「銀行で名義を作るだけで報酬○万円!」みたいのがありました。これって、預金口座の売買ですから、明確な犯罪行為です。

 つまり、いわき信組は、本人への確認もなく、金融機関という立場で、それをやっていたのです。

 

 

どんなことをしていたの?

 では、どのようなことが行われていたか、PDFから抜粋してみましょう。

 だいたい、3件に分類されるようです。

 

甲事案

当組合が、遅くとも2004 年3 月頃から2011 年3 月頃にかけて、X1 社グループに対して、

①本件迂回融資及び

②本件無断借名融資の手法を用いて極めて多額の融資金を不正に資金提供し、かつ、当該資金提供の事実を2024 年11 月15 日の公表時まで組織的に隠蔽していた事案

 

ひとくち解説

 全く関係のない名義人の口座を利用し、利権会社へ資金提供し、約20年間隠蔽した

※X1社グループ=融資の受け役として同信組の理事が天下っている会社と、そのマネーロンダリンググループ

 

乙事案

元職員のY 氏が、当組合α 支店及びβ 支店に在籍中の2010年3 月頃から2014 年8 月頃にかけて、

①上記各支店の顧客名義を無断で借用して、預金担保融資、保証付融資及び個人ローン等の無断借名融資を実行し当該融資金を着服する方法

②上記各支店の顧客の総合口座貸越を利用して当該融資金を着服する方法

③上記各支店の顧客の定期預金を無断解約して解約金を着服する方法

④当組合β 支店の諸勘定(個別貸倒引当金勘定)を不正操作する方法によって多額の金員を業務上横領又は詐取し、かつ、当該横領が二度にわたり発覚した後も当該事実を2024 年11 月15 日の公表時まで組織的に隠蔽していた事案

 

ひとくち解説

 名義人に無断で融資を実行し、その貸付金額を自分のポケットに入れた。

 名義人に無断で定期預金を解約して、自分のポケットに入れた。

 これらを把握しながら、約15年間隠蔽した

 

丙事案

元職員のZ 氏が、当組合α 支店に在籍中の2009 年5 月下旬から同年6 月7 日までの間に、同支店の金庫内に保管されていた100 万円の帯封現金から1 万円札20 枚を抜き取る方法によって、現金20 万円を業務上横領又は窃取し、かつ、当該事実が当組合本部に報告された後もその事実を2024 年11 月15日の公表時まで組織的に隠蔽していた事案

 

ひとくち解説

 帯封のしてある 100万円の束から1万円ずつ抜き取り、計 20万円を横領した

 これを把握しながら約16年間隠蔽した

 

 やりたい放題すぎる。

 そして、だいたい全部隠蔽してるのが凄い。

 さらに、資金の使途が明らかになっていないのも凄い。

 

 迂回融資も凄くって、信用組合の理事が天下った会社 (X1社) およびそのグループへの

不正借名融資は、ぶっちゃけ全貌が明らかになっていない。

 その原因は、意図的に隠蔽されたためで、中には、PCの物理的破壊により、完全に失われてしまったデータも存在するようだ。

 

 報告書の38ページあたりに、不正融資について記載さられていたので、表にまとめてみた。

 

 

 思わず、くらくらしてしまいました。

 金融機関なのに、きちっと数字がでてこないあたり、問題のやばさを認識していたのに、不明瞭な情報しかでてこないあたり、「上位レイヤーの組織内圧力>コンプライアンス」という図式が成立しており、闇のガバナンスが効いていて、コンプライアンスが息していないってことがはっきりわかってしまった。

 しかも、調査中に証拠隠滅だから、調査に協力しようという姿勢が一切見られないってことも明確になってしまい、闇深すぎて底が見えないのが恐ろしい。

 

 んじゃ、全体でどれくらいの不正融資が行われたのか?って話し。

 本件、ようは、自転車操業の企業に、架空融資を実行していたというってのが、一番わかりやすい図式だと思う。

 細かくいえば、自転車操業のハズなのに、流れた金の使い道が不明ってのが、闇深い。

 

 話を戻します。

 まあ、まともに融資しようとすると、融資審査にとおらないし、融資を受けた形にすると、受けた側の X1社グループも、財務状況も悪化してしまう。そこで、マネーロンダリングすることにした。というのが流れ。

 その結果、不正融資の額は、融資額だけで247億円、書替 (融資の継続) を含めると、458億円にものぼるとされています。

 このヤバいのは内訳で、大口融資先への迂回融資が 18億円というのに対し、理事が天下りしている企業群への不正借名融資が 229億円という、組織内部への資金供与に、10倍もの金が流れていたのは、ほんとヤバい。

 それを「覚えてない」で済ます神経もヤバい。

 是非、組合員の前で言ってみてほしい。

 

※まだ資料を読み込めてないため、投稿内容に間違いがあれば、ご指摘ください。

 

 

 現時点では、このような調査結果と報告されていますが、今後、金融庁の調査によって、またあらたな事実が発覚すると思います。

 現時点でも、金融史に残る大事件ですが、この先どのようになっていくのでしょうね...

 

※補足情報※

〇X1社について (報告書93ページから98ページあたりの情報)

 ・X1社およびそのグループについて、組織名を特定するような情報は公開されていません。

 ・少なくとも 2011年3月まで、組合からの資金提供が終了していることから、現在は、閉業などにより、営業活動をしていない可能性が高いです。