終末時計が一気に進んだ感、あるよね...
※以下、めっちゃ長いっす※
(ぼくらの感覚では) 突如はじまってしまった イスラエルとイランによる戦争。
正式な宣戦布告はないけど、すでにミサイルの撃ち合いになっており、民間人に犠牲者がでていることからも、戦争状態にあると言っていいと思う。
一体、なぜこうなってしまったのだろう?
中東情勢は複雑でよくわからないけど、とりあえず、本件に関係してそうな出来事をまとめてみました。
時 系 列
※中東情勢は複雑なので、関係ありそうなことのみピックアップ
2015年10月18日:イラン核合意締結 期間 10年
署名国:
イラン、フランス、ドイツ、イギリス、中国、ロシア、アメリカ
ひと言解説:
イランの核開発を制限する代わりに、経済制裁を解除する
MEMO:
イスラエルは反発 理由は下記のとおり
・イランから核兵器が完全に排除されない
・期限が切れたら核開発が容易な内容
・経済制裁緩和によって、イランが資金を得てしまう
2018年5月9日:アメリカがイラン核合意から離脱
ひと言解説:
脱退したことで、米国がイランへの経済制裁を再開
経済制裁が再開したことで、核開発再開への準備活動ともとれる動きを再開
MEMO:
イラン通貨の価値が暴落。輸入価格高騰を背景にインフレが深刻化
2023年10月7日:ハマスによるイスラエルへの越境攻撃~パレスチナ・イスラエル戦争
ひと言解説:
第四次中東戦争開戦日から 50年後にあたる日に、ハマス他武装勢力がイスラエルへ侵攻したことから、パレスチナとイスラエルの戦争へ発展した。
MEMO:
ハマス=反イスラエルを掲げる、イスラム抵抗運動という組織のこと。
イスラエル絶対許さないマン。
パレスチナ(アラブ系民族)は、イスラエル(ユダヤ系民族)から独立したい。
2024年4月1日:在シリア・イラン大使館領事部への空爆
ひと言解説:
イスラエル航空機による爆撃で、イランの将官を含む多数が死亡。
2024年4月13日:イランによるイスラエル本土への直接攻撃 (報復攻撃)
ひと言解説:
イランが自国領内から、イスラエルを直接攻撃。
※イランとイスラエルは、国境を接していない※
2024年4月19日:イスラエルによるイランへの報復攻撃
ひと言解説:
イスラエルが、イランのイスファハン近郊の軍事施設を直接攻撃した。
2025年6月13日:イスラエルがイランの核関連施設や革命防衛隊の拠点を攻撃
・アメリカがイスラエルからアメリカ人の退避勧告を出す避難自体は、2024年から進めている
・イランがイスラエルへ報復攻撃
・IAEA がイランへ非難決議
(核開発に関する内容)
・イスラエルが核施設を攻撃 (報復攻撃)
・お互い、報復攻撃へ
戦線拡大の懸念
現在、イスラエルとイランの間では、報復行為の応酬が続いており、中東情勢は極めて緊迫しています。
最悪の場合、ハマスなどの武装勢力がこれに呼応したり、周辺諸国を巻き込んだ戦線拡大に発展する懸念も高まっています。
この対立が悪化する過程には、イラン核合意(包括的共同作業計画、JCPOA)の形骸化があるんじゃないかと考えます。
この合意は、イランの核開発に危機感を抱いた周辺国や先進諸国が、経済制裁を背景にイランの核開発に制限を設けるものでした。
イラン側は、核開発の目的を平和利用だと主張していましたが、国際原子力機関(IAEA)による調査へ非協力的な姿勢でしたが、経済制裁には勝てず、合意締結に至りました。
しかし、アメリカの政権が、オバマからトランプへ移行すると、アメリカは合意から離脱。イランへの経済制裁を再開しました。
これに反発したイランは、ウラン濃縮を進めるなど、核開発再開への準備を進めているような動きを見せ、結果的に核合意は形骸化してしまいました。
報復の連鎖
イスラエル( & アメリカ)とイランの関係は、段階的に悪化の一途を辿ってきました。
イスラエルによるイラン軍事施設への攻撃では、将校を含むイラン要人が死亡する被害も出ており、イランとしては、これ以上の屈辱を受け入れるわけにはいかないという状況です。
また、長引く経済制裁によるイラン国内の不満も、この対立を激化させる一因となっていると推測されます。
一方で、イランもハマスなどの武装組織を通じてイスラエル国内でテロ活動を行ってきた経緯があるため、どちらか一方に全ての非があると断じるのは難しいのが現状です。
対立図式
イスラエルを巡る中東問題は、ユダヤ民族とアラブ民族の長い闘争の歴史に根差しており、一朝一夕で解決できる問題ではありません。
イスラエルは、国連決議 (要はアメリカ) でパレスチナを分割し、建国されたユダヤ民族の国であり、当然、親米の立場です。
一方のイランはというと、親米王政を打倒 (イラン革命) して生まれたイスラム教の国であり、反米を宿命づけられた国家とも言えます。
イスラエルとイランの間にはイラクがありますが、イラクは、イラク戦争で国土が荒廃し、疲弊している状態です。
イランは、シリア、レバノン、パレスチナ、イラクといった、イスラム教圏の勢力と連携し、イスラエル包囲網を形成し、その力を削ぎたいと考えています。
イスラエルにとっての現状は、ロシア・ウクライナ戦争の長期化により、包囲網の一角であるシリアが弱体化し、さらに、アメリカではトランプ大統領が復活するという、いわば「歴史的な好機」とも捉えられるタイミングです。
アイアン・ドームの効果
パレスチナ問題や、ガザ地区での軍事行動により、イスラエルのネタニヤフ首相の支持率は低下しており、欧米諸国からも批判の声が上がっています。
このような状況下でのイランへの攻撃は、支持率低下にあえぐネタニヤフ首相の起死回生の一手である、という見方もできるでしょう。
イスラエルの軍事力は高く、国土の対空防御手段として、「アイアン・ドーム」と呼ばれるげ劇システムが構築されています。その絶対的信頼も、イラクへの攻撃に繋がったのかもしれませんね。
イランによる報復攻撃は、テルアビブを襲いました。前掲のニュース記事内にある映像には、テルアビブ上空で、イランの弾道弾とイスラエルのアイアン・ドームによる迎撃防空網のせめぎ合いの一部が確認できます。その映像からは、実際の迎撃率はわかりませんが、市街地への少なくない着弾も確認できます。
これが、イスラエルの思惑通りなのかはわかりませんが、少なくとも、アイアン・ドームによって、テルアビブが火の海になることは防がれたのは間違いありません。
イランによる核攻撃リスク
イスラエルは、イランの核開発施設への攻撃を継続する構えですが、イランは2018年から核開発を進めており、核兵器に転用可能な量のウラン濃縮を終えている可能性も指摘されています。
最悪の場合、核攻撃へと発展するリスクも完全に排除できない状況です。
イランの核開発施設は、地下深くにあるため、それこそ核でも使わない限り破壊するのは難しいと言われています。
そのため、攻撃の対象は、施設そのものというより、開発従事者を狙っているのでは?という指摘もありました。
イランの高濃縮ウランの保有量次第ですが、長期化すればそれだけリスクが高まりますので、この戦争は、短期で決着をつけたいのではないかと思います。
日本への影響
中東は日本にとって地理的に遠く離れた地域ですが、この戦争は日本に密接な影響を及ぼしています。既に原油価格の高騰という形で影響が出ており、これが長期化すれば、日本の電力価格や物価全般の上昇につながります。
また、中東から日本への主要な海上輸送ルートが混乱すれば、エネルギー供給だけでなく、あらゆる輸入物資に影響が出るリスクも高まります。
この戦争は、決して遠い国の問題ではなく、私たち日本人の生活に直接影響を与える重大な問題となっていることを忘れてはいけません。