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【NEWS】三菱UFJ銀行元行員による貸金庫窃盗事件、容疑者を逮捕。 (2025.01.19公開)

 三菱UFJ銀行元行員による貸金庫窃盗事件、容疑者が逮捕されました。

 

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事件について

 三菱UFJ銀行元行員による、貸金庫から顧客資産の窃取 (こっそり盗むこと) 事件。

 2020年4月から2024年10月の 4年半にわたり、練馬支店 (統合前の江古田支店を含む)、玉川支店の貸金庫利用者 70名から、現金 10億円以上、金塊 7億円相当を窃盗した事件。

 この度逮捕されたのは、三菱UFJ銀行元行員 今村由香里 。容疑は、金塊 20kg (2億6千万円相当) の窃盗です。

 なお、窃盗した顧客資産は、投資や借金返済に使われたとのこと。

 そして、被害の内 40件 およそ7億円を、三菱UFJ銀行が補償をしているようです。

 

 

事件発覚の発端

 事件に先立ち、顧客から「預けたものなくなっている」というクレーム入っていたことから、明らかになった。

 なお、今村容疑者がクレーム対応まで担当していたこと、同容疑者が事件発覚を遅らせる目的で、隠ぺい工作をしていたことから、問題の発覚が遅れました。

 どうやら今村容疑者は支店長代理という立場にあり、偽装しやすい立場にあったようです。

 

 

犯行手順

 三菱UFJ銀行の貸金庫サービスには、利用希望者の身元確認からはじまります。

 貸金庫を開けるには、銀行の鍵、顧客の鍵が揃って必要なので、一見、行員単独では犯行に及べないように思えます。

 しかし、顧客の鍵には予備鍵があり、そして、その保管が銀行であり、かつ、今村容疑者がその管理責任者であったことから、犯行が可能な環境になってしまったということです。

 予備鍵の保管は、封筒へ封入の上、銀行、顧客の割印が捺され、開封されたらわかるような仕掛けになっており、厳重です、その上、予備鍵の状況は、銀行ではなく、外部 (ただし子会社) へ業務委託されているので、異常があった場合、もみ消し難くなっています。

 このような状況でしたが、今村容疑者は、丁寧に封筒を剥がし、犯行後、糊付けし直すという大胆な方法でクリアしていたようです。

 また、貸金庫の監視システムを切断し、故障で入れないなどの嘘で隠ぺいを図っていたとの記載もあります。

 銀行側の貸金庫の定期調査には、この監視システムのログ・チェックが入っておらず、事件後に確認したとき、そのログは残っていたのは確認したと、記者会見での質疑応答にありました。

 つまり、ログ・チェックが無かったので、やりたい放題だったということです。

 一般事務職から支店長代理まで登ってきたことから、信頼も篤く、業務経験も豊富であることから、異議を差し込み難かったという側面もありそうですね。

 

 

犯行動機

 「ギャンブルが止められない」ということのようです。(依存症かは不明)

 動画では、2013年ごろ、700万円の借金を作ってしまし、民事再生法の適用を申請 (※個人再生) したとあります。(その後認可された、とも)

 そして、FXに手を出し、10億円におよぶ借金を作り、犯行へ...。ということですので、ギャンブルが犯行動機となります。

 

※個人再生※

裁判所へ再生計画を提出し、認可してもらう代わりに、債務額を減額してもらう手続き。人のお金を扱う職業は、自己破産できない制限職種であるため、今村容疑者は、個人再生手続きを選択したと思われる。

 この制度を利用した場合、信用情報に登録される (いわゆるブラック・リスト) ため、借入は勿論、クレジット・カードの作成はできなくなるのと、官報に再生債務者として、住所、氏名が記載されます。

 

 

逮捕の時期について

 2024年11月に発覚した事件で、容疑者もわかっていたのに、2025年1月に逮捕というのは、被害額の確定と、補償を優先したからだと思います。

 銀行業務に疎い警察が身柄を確保しても、事件の全貌解明には、莫大な時間がかかったであろうことでしょう。

 優先されるべきは、被害者への補償。全貌の解明。その後、逮捕という流れ。

 逮捕の前に全貌の解明が入っているのは、この事件に対し、金融庁が報告徴求命令 (ビッグモーターの件で損保ジャパンにも出ていたヤツ) を出しているからです。

 なので、逮捕されたということは、全貌がほぼ解明し、被害額確定の見通しも立ち、補償の方法も決まったということだと思います。

 

 

事件解明の難しさ

 貸金庫というサービスの性質上、銀行は、貸金庫の中に何が入っているか把握していません。

 犯行期間は、実に 4年半という長期です。覚え違い、記録漏れなどによる勘違いがあってもおかしくありません。

 それを双方納得できる額に調整することは、かなり難しいし、更に、金融庁への報告もしなければならないので、難易度の高さは凄まじいことでしょう。いかに警察と言えど、難しいでしょうし、やはり、銀行が解明した方が早いと思います。

 仮に、貸金庫がマネーロンダリングに使われていて、そこから盗難...なんてことがあった場合、利用者は絶対に申し出ませんから、そういう事実があった場合、被害額完全に確定することはないのかもしれません。

 ...もしかしたら、この件で申し出た人には、後日、税務調査が入る、なんてことがあるかもしれませんね。

 

 

今村容疑者の今後

 今村容疑者の逮捕容疑は、金塊 20kg (2億6千万円相当) の窃盗です。

 過去には、「窃盗、強盗又は横領により取得した財物については所得税を課さない」という通達があったみたいですが、現在は廃止され、下記のとおりとなります。

法第36条第1項に規定する「収入金額とすべき金額」又は「総収入金額に算入すべき金額」は、その収入の基因となった行為が適法であるかどうかを問わない。

www.nta.go.jp

 つまり、窃盗で取得した 14億だか 17億に対し、所得税が課され、4年半も経っていますから、延滞税がかかるということになるでしょう。

 また、被害者への補償は銀行がしていますが、補償額は、銀行が今村容疑者に貸付けたことになっているかもしれません。

 すると、窃盗額+所得税+延滞税を払っていくことになるワケですが、個人ではどうやっても無理な額ですね。

 今は銀行員ではないので、自己破産という手段もありますが、賠償責任がなくなるわけではないので、あまり良い手だとは思えません。

 

 

 

 最後に、三菱UFJ銀行経営陣の処分についてまとめておきますね。

 

この事件によって下された経営陣への処分

  ・堀直樹会長:報酬 30%減 3ヵ月

  ・半沢淳一頭取:報酬 30%減 3ヵ月

  ・山本忠司取締役常務執行役員:報酬 30%減 3ヵ月

  ・山田直人常務執行役員:報酬 20%減 3ヵ月

  ・北村慎常務執行役員:報酬 20%減 3ヵ月