”West Side Story” スピルバーグ版の日本公開が近いので、思い切って意訳してみた。
今回挑戦したのはこれ!
West Side Story's "America" by Anita
タイトル:America
作 詞:Stephen Sondheim
出 典:West Side Story
Anita:
Puerto Rico
My heart's devotion
Let it sink back in the ocean
Always the hurricanes blowing
Always the population growing
And the money owing
And the sunlight streaming
And the natives steaming
I like the island Manhattan
Smoke on your pipe and put that in
Girls:
I like to be in America
Okay by me in America
Everything free in AmericaBernardo:
For a small fee in America
Anita:
Buying on credit is so niceBernardo:
One look at us and they charge twice
Rosalia:
I'll have my own washing machineIndoi:
What will you have, though, to keep clean?
Anita:
Skyscrapers bloom in AmericaRosalia:
Cadillacs zoom in AmericaTeresata:
Industry boom in AmericaBoys:
Twelve in a room in America
Anita:
Lots of new housing with more spaceBernardo:
Lots of doors slamming in our face
Anita:
I'll get a terrace apartmentBernardo:
Better get rid of your accent
Anita:
Life can be bright in AmericaBoys:
If you can fight in AmericaGirls:
Life is all right in AmericaBoys:
If you're all white in America.
Girls:
Here you are free and you have prideBoys:
Long as you stay on your own side
Girls:
Free to be anything you chooseBoys:
Free to wait tables and shine shoes
Bernardo:
Everywhere grime in America
Organized crime in America
Terrible time in AmericaAnita:
You forget I'm in America
Bernardo:
I think I go back to San JuanAnita:
I know a boat you can get on
Bernardo:
Everyone there will give big cheerAnita:
Everyone there will have moved here
America 意訳
設定
Bernardo:
妹の Maria には苦しい想いをさせたくないあまり、過保護気味のお兄ちゃん。
人種差別を受ける側で、少年グループ「シャーク団」を取りまとめているAnita:
Bernardo の恋人。姐さん気質でシャーク団の女衆の中心。Maria:
Bernarudo の妹。Tony に恋してしまった。Tony:
白人少年グループ「ジェット団」の元リーダー。
Maria と両想いだが、立場があり...
前段の流れ:
Tony と Maria の件で、Anita と Bernardo が言い合い。
Anita:ここは自由の国でしょうが!恋愛だって自由でしょ!
Bernardo:白人と一緒になったって差別され傷つくだけだ!
言い合いは平行線をたどり、いつしかグループの男女での言い合いに発展していく...Anita:
プエルト・リコ...
麗しの故郷...
あんなとこ、いっそ海の底へ沈んでしまえばいいのに!
いつもハリケーンが吹き荒れ
仕事も娯楽もなく、ヤることないからヤるしかない退屈な故郷...
みんな子だくさんなのに仕事がないもんだから、借金で苦しんでる...
容赦なく照りつける陽射し...
暑くて頭が茹ってしまうわ!
それに比べて愛おしのマンハッタン!
あたしの第二の故郷!
つべこべいわず、胸に手をあてて考えてごらんなさいな。
マンハッタンとプエルト・リコ、どっちがよろしいのかしら?
答えは言うまでもないでしょう?
Girls:
あたしたちはアメリカの暮らしが好きなの!
ここでの生活は、あたしたちを満足させてくれるの!
だってここには自由がある!Bernardo:
その自由も金があってこそ、だがな!
Anita:
後払いでも買い物ができるって素敵!Bernardo:
ヤツらは移民とみれば倍の値段をフッかけるから、引落額には注意しなさいよ!
Rosalia:
あたしは洗濯機を買うわ!自分のよ?Indio:
そいつぁーすげーな!でもよ、そんな高い買い物をして服まで金まわンの?
Anita:
きらめく摩天楼、それがアメリカ!Rosalia:
おっきなキャデラックでハイウェイをカッ飛ばすのがアメリカ!Teresita:
好景気に沸くアメリカ!Boys:
そんな素敵なアメリカで、オレらは12人一部屋に住んでるんだが?
Anita:
次から次へと新築物件が建っていくわ。いずれ私だって!Bernardo:
それはオレたち用じゃないぞ。
Anita:
いーや、あたしはいつか、テラス付きのアパートをゲットしてみせる!Bernardo:
夢を見るのは自由だが、その前に訛りを直しときなよ?でないと門前払いだぜ?
Anita:
アメリカでなら、あたしたちの人生はバラ色よ!Boys:
まず差別と闘わなきゃならないのをお忘れなく!Girls:
でも、普通に生活できるでしょ!Boys:
いやいや、それは白人サマにおめこぼしいただいた範囲で、だろ?
ダンス・パート
Boys:最初は礼儀正しいが、移民と知ると差別された経験を表すダンス
Girls:アメリカの生活に夢をみるように華やかに。だらしないBoys を煽るかのように
Anita & Rosalia:
ここでなら ”あたしらしさ” を発揮できる!Boys:
マジか?それってオレらと絡んでるときだけじゃね?
Anita & Rosalia:
仕事だって選べるもの!Boys:
そンなら聞くけど、ウェイター、靴磨き。どっちがいい?
Bernardo:
環境汚染されたアメリカ
組織犯罪蔓延るアメリカ
アメリカって書いて地獄って読むんじゃね?Anita:
あたしがいるここを地獄っていうのかい!?
※てめーは恋人に地獄のような生活をさせる甲斐性無しなのかい?※
ダンス・パート
Girls:甲斐性なしはお断りよ
Bernardo:
いっそサン・ファンに帰ろっかなーAnita:
帰りの船が出るのならね!
※プエルト・リコに帰りたがる地元民なんていねーから、船なんてでねーよ※
Bernardo:
故郷に錦を飾るんだ。みんな歓迎してくれるだろう。Boys:
そうだそうだ!
Anita:
地元に人なんて残ってると思ってンの?
みんなこっちにきちゃったわよ!Girls:
そんなこともわかんないのかしら?おめでたい連中ネー
ダンス・パート
Girls:お帰りはあちら!あたしたち、負け犬には興味ないの
Boys:おまえらは現実がみえてない
最後は元の鞘に収まる感じ。
※の個所は心中の補足を表します
希望に胸を膨らませ、渡米した若者たちの悲喜交交が描かれた曲だよね。
あくまでも、曲調は明るいことから、差別故に腐ってはいても、矜持を持って頑張ろうとする前向きさも感じる。
この曲は、いかにも青春って感じで、生きるってことを実感させてくれるよね。
こういう楽曲、演出があってのあのエンディングだから、この作品はあなどれない。
この意訳にあたって、映画があるんだからする意味あるの?って考えた。
でもさ、意訳したことで朧気だったらディテールが、より明確になったので、個人的には達成感があったよ。
大筋は分かっていたけど、いざ意訳すると、微妙に文脈がつながらなかったりしたんで、知った気でそういう細かいとこ流してたんだなーって。
だから、思ったより時間がかかってびっくりしたわ。