キム選手、ほんとありがとうな。

タイトル:
ボクシング WBA, WBC, IBF、WBO 世界スーパーバンタム級王座防衛戦
開催場所:
1月24日(金) / 東京 / 有明アリーナ
公演公式:
☆ 井上 尚弥 (Naoya Inoue)
戦績:29戦 29勝 0敗 26KO
獲得タイトル一覧
WBO世界スーパーフライ級王座
※主要団体のみ、ローカル、暫定王座は省略
年 齢:31歳
身 長:165cm
リーチ:171cm
スタイル:オーソドックス
4R 2:25 KO
★ 金藝俊 (キム・イェジュン / Kim Ye-Joon)
戦績:21戦 2勝 2敗 13KO
世界ランキング
年 齢:32歳
身 長:163cm
リーチ:163cm
スタイル:スイッチ
当初、Sam Goodman が対戦相手だったけど、練習中の負傷が続き、結果、キャンセルとなりました。しかし、キム選手が代役として名乗りを上げたことで、この試合が実現しました。
急な試合にも関わらず、名乗りを上げてくれたキム選手の勇気に敬意を表します。
Goodman 選手について
2024年12月24日予定に試合を予定していましたが、練習中の負傷 (左腿上部裂傷) によって、この試合を 2025年1月24日へと延期することになりました。
しかし、再度、練習中の負傷 (左まぶたをカット) してしまったため、結果、試合はキャンセルとなりました。
Goodman 陣営は、井上選手対策として、対戦経験のあるJason Moloney 選手と、その弟の Andrew Moloney (現役引退している) とのスパーリングをするなど、かなり力をいれていた。
ちなみに、Jason Moloney 選手は、2月に那須川天心選手と試合をするっぽい。
金藝俊 (キム・イェジュン) 選手について
スイッチ (両利き) のボクサーで、日本人相手に負けなしということもあり、WBO スーパーバンタム級 11位であった金選手が、井上選手の対戦相手として名乗りをあげた。
元々オーソドックスに構えていたが、階級に対して小柄で、利点が無いことから、サウスポーに転向し、結果、スイッチという利点を得たという変わり種。
韓国の選手には珍しく、チームを欧米人で固めていたのも珍しかった。
サウスポーに構えた金選手と、オーソドックスに構えた井上選手では、前手が直ぐに当たる距離。
相手の前足の内側に入り、懐から鋭く切り裂くような井上選手に対し、前足の外側に回り、井上選手の右のパンチを受けないよう、そして、連打をもらわないようにサークリングする金選手という構図。
外側に回るため、金選手の放つパンチは、自身の体の影に隠れてしまいがちで、思ったより井上選手が連打を受けてしまうシーンが目立ったようにも思えました。
しかし、ペースを握るのは井上選手。
ジャブの差し合いから鋭く踏み込むと、上下へパンチを散らし、効果的にダメージを与えていく。
金選手は、ガードを固めて対応するも、ガードの上からでもしっかりダメージは入っているようで、余裕は感じられない。
3ラウンド、金選手が、体を入れ替えるようにアッパーのコンビネーションで魅せる場面もあった。
しかし、4R、金選手は、蓄積したダメージを隠し切れず、コーナーに追い込まれたtころに、打ち下ろしの右ストレートをこめかみに受けてしまい、ダウン。KOされてしまいました。
ダウンした際、肝臓を押さえていたので、ガードの上からでもめっちゃ効いてたんでしょう。
この試合のみどころのひとつに、金選手のスイッチがどう試合展開に影響するのか?があったと思うけど、それが出る前に終わってしまった。
突如 (と言っていいタイミングで) 決まった対戦相手を前に、このような圧倒的な試合をできてしまう井上選手。改めて"モンスター"の恐ろしさを感じる内容でした。
井上選手、試合後のインタビューで、「スーパーバンタム級には、まだ闘わなければならない相手もいるし、すぐに階級を上げるということはない」と言っていましたが、もう、フェザー級に階級上げたほうがいいよね。そう思わせる試合が続いていると思う。だから、階級上げて、そこで中谷選手とやればいいと思う。
井上選手。防衛おめでとうございます。
井上尚弥 vs キム・イェジュン
— でゅら~ (@deulah2002) 2025年1月24日
井上選手の外側へサークリングするキム選手
倒されない堅実な立ち回りを心掛け
しかし、上下を打ち分ける井上選手の前に被弾を重ね、右の打ちおろしがテンプルを打ち抜きダウン
4R KOとなった
直前にも関わらず、名乗りをあげてくれたキム選手の勇気に敬意