パラリンピック閉会式、良かったよね...
この閉会式がどんな演出になるかと、冷や冷やした想いで観ていた方も多かったことだろう。しかし、蓋をあけてみれば、素晴らしい演出で素晴らしいセレモニーでした。
「不相応な欲など持たず、健全な肉体にこそ健全な精神は宿ってほしいものだ (A sound mind in a sound body)」 という風刺があるが、残念なことに、東京 2020 オリンピック・セレモニーに対する皮肉として、これ以上ハマる言葉はないだろうという感じになってしまった。
反面、東京 2020 パラリンピック・セレモニーは、演出も一環しており、また、式典も終始ピースフルな雰囲気で運営され、どちらが平和の祭典として相応しいか、明確だったよね。
タイトル:
東京 2020 パラオリンピック 閉会式
TOKYO 2020 Paralympic Ending Ceremony
開催日程:
9月05日(日) / 東京 / 新国立競技場
開催時間
開演 / 20:00 , 終演 / 22:15
式 次 第
No.01 VIP入場映像「13日間」
アトラクション「Harmonious Cacophony」①
「Paralympic Effect」
SASUKE (DJ)
RIN (Beatboxer)
MORIKO (B-Boy)
Kz (Rapper)
...ほか
IPC会長他着席
...他 VIP着席
BGM:「Wiener Philharmoniker Fanfare」(作曲:小澤征爾)
日本国国旗入場
佐藤友祈、見延和靖、山田美幸、やまもとけいこ、岩切基樹、小池さくら
BGM:「Bright Future」(作曲・演奏:高嶋ちさ子)
国家演奏 / 国旗掲揚
歌手:こどもの城合唱団
No.02 旗手入場
We the 15
アトラクション「Harmonious Cacophony」②
旗手入場
入場順:
→ あいうえお順
→ 日本
BGM:「TOKYO AGITOS」(作曲:RAM RIDER)
アトラクション「Harmonious Cacophony」③
BGM:GODIEGO「Beautiful Name」
No.03 各種表彰
I'm POSSIBLE Award
進行:Maxwell Powers
:マセソン美季
プレゼンター
Duane Kale
山脇康
Rita van Driel
開催国最優秀賞
海外最優秀賞
Lilongwe LEA Primary School (Malawi)
開催国特別賞
東金特別支援学校 (千葉県東金市)
パラリンピアン賞
Lassam Katongo (Zambia)
Katarzyna Rogowiec (Poland)
新規選出IPCアスリート委員紹介
Daniel Dias
Omara Durand Elias
Zahra Nemati
Jitske Visser
Martina Rabbolini
Takayuki Suzuki
鈴木孝幸
ボランティア表彰
No.04 パラリンピック授受
アトラクション「Harmonious Cacophony」④
「El Tempo」シシドカフカ
五輪旗降納
パラリンピック讃歌演奏 (作曲:Thierry Darnis)
パラリンピック旗授受
→ IPC会長 Andrew Parsons
→ パリ市長 Anne Hidalgo
BGM:「狐火」(作曲:加藤達也)
フランス国歌吹奏
手話歌唱映像
フランス国歌掲揚
映像:Paris 2024
No.05 開会宣言
閉会のあいさつ
大会組織委員 橋本聖子
IPC会長 Andrew Parsons
映像「We The 15」
「What a wonderful world」(Louis armstrong)
奥野敦士 - on Vocals (from Rogue)
小汐唯菜 - on Vocals
RIMI - on Sign Language
西川悟平 - on Piano
...ほか
- 感 想
素晴らしい閉会式だったと断言できる。
「東京ダイバーシティ」という、五輪演出とも被る内容だったが、パラリンピック閉会式の方が、各段に上でしたね。
全会期を通じて「多様性」と繰り返していたが、パラリンピック閉会式演出で、それらが結実したという感じ。これぞまさに!というように誰もが納得できる演出だった。
演出面だけでなく、要所々々の楽曲のセレクトも素晴らしいね。
閉会式では「Harmonious Cacophony (調和のとれた不協和音)」というテーマの元、式が進行していったけど、"Cacophony (不協和音)" を感じるような個所はなかったよね。
これは、「均一でないパーツの奏でる不協和音でも調和がとれる」という演出意図からきたのだと思うけど、不協和音というより、音が重なっていく過程が「調和のとれた騒音」って感じ。
閉会式の演出チームは、Ultra Music Festival Asia の クリエイティブ・ディレクターを務める小橋賢児が率いるだけあって、アリーナという二次元と、ステージ・セットを用いた三次元を組み合わせた演出が巧みで、最先端の演出に感動できた。
アリーナには、ステージ・セットと人だけの表現だったが、次第に一輪車やスティルト (足長) などを用い、サーカス的なアトラクションで楽しませてくれた。
最初は EDM やチップ・チューン、そしてバンド、最後はジャズ "What a wonderful world" になるのも、お祭りが過ぎ、そして無事にこの瞬間を迎えられた奇跡を素直に喜ぶ。そんな思いを共有できた気がした。
出演者の選定についても、式が進行するにしたがって、その歩んできた重みが伝わるようでもあり、やはり。あらゆる意味で素晴らしいセレモニーだった。
個人的には、旗手入場が終わり、アトラクション③に入るところで、ミライトワ & ソメイティが登場したのが嬉しかったね。
折角のセレモニーなのに、ここまで特にスポットが当たることもなかったマスコット。登場したのは、思い出に彩られたスカイツリーをみんなで完成させようというシーンなので、ぴょこぴょこ元気に動く姿にみんな笑顔がこぼれたよね。
文字通り、誰もが主役になるうる。そんな素敵なセレモニーでもあったね!