なんか、Assassin’s Creed Shadows が炎上しているらしい。
※この投稿には、差別用語が含まれていますが、差別を助長する目的ではなく、当時の時代背景の説明を目的としているものです※
Assassinn's Creed シリーズとは仏ゲーム制作企業 UBI ソフトが手掛ける、人気ステルス・アクション・ゲーム・シリーズ。
ナンバリングごとに主人公はもちろん、時代、国が変わり、最新作となる "Shadows" は、シリーズ4作目にして初となるアジア地域、それも、日本の戦国時代という、日本人ファン待望のシチュエーションでの開発となりました。
しかし、その本作炎上しているといいます。
一体、なぜ、炎上しているのでしょう?
調べてみました。
【炎上理由】
炎上している理由は、ゲームの設定を「史実に忠実に描いているので、歴史を追体験できる~」的な書き方がされているわりには、時代考証が雑な部分 (桜の時期に田植えをしていたり、戦場の死に方は斬首によることがほとどんでだった的な言い回しなど)。
これが、「そもそも弥助は侍じゃなくね?」という話しにもなり、総じて「文化の盗用にあたるのでは」と非難されるに至っているようです。
そのほか、コンセプト・アートに素材を無断使用したというのもあります。
『アサシン クリード シャドウズ』は、2 つの異なる体験をどのように融合させたのか - Xbox Wire Japan
https://videogames.si.com/features/assassins-creed-shadows-interview
【本作の主人公について】
本作の主人公は、「藤林奈緒江」、「弥助」。
ともに実在の人物を主人公に据えるという、シリーズ初の大胆な試みです。
まず、藤林奈緒江について。
彼女の父親は、藤林長門守。
この人物は、北伊賀衆をとりまとめる忍者の頭領とされる方で、比較できる有名人としては、服部半蔵に近い家格 (服部家の支流という説もあり) の方です。
また、律令制における四等官制における、地方行政の長官を授かっていることからも、有力な人物であったことは間違いありません。
まあ、伊賀なのに長門守?という疑問もあるでしょうけけど、当時の官職名は、名誉職であることが多いので、そういうことなのかな。
弥助は、織田信長の家臣。
生まれは東アフリカで、その後インドに渡り、イエズス会に所属する宣教師 Alessandro Valignano の使用人として来日。織田信長に気に入られ、家臣として扶持を食むことになった人物。
鞘巻を与えられていたようなので、太刀ではないにせよ帯刀は許されていたっぽいこと、信長から扶持を与えられていたことなどから、信長の供回り衆を務めるうちのひとりというイメージがあります。いずれにせよ、家臣であることは間違いないみたい。
しかし、信長のウケが良い以外の家中の評価は、「黒奴 (黒人奴隷の意)」と見る意見が多いともありました。
侍とは上級武士です。
上級武士とは、主君に仕える武士で、馬に乗ることを許された人々です、
武士とは戦闘を生業とする家系で、侍を主人とする人々です。
そう定義すると、弥助は侍ではありません。
弥助の場合、家臣となった経緯が特殊ですから、いろいろ断じるのも難しいでしょうが。
もしかすると、武士である可能性はあるかもしれませんね。
【フィクションにしておけば...】
このようなことから、「本作品は、史実を忠実に再現した作品で、ゲームをプレイすることで、当時の日本史を学ぶことができます」みたいなことを言われると、
「時代考証もろくにできてないのに何が忠実に再現だ!」
「事実ではないことをそのようにみせるのは文化の盗用だ」
と、非難を浴びて炎上という流れらしいです。
最初からフィクションとしておけば、これほどの問題にはならかなったと思います。
また、世間はポリコレに辟易しているきらいがあったのも、タイミングが悪かったと思います。
そのせいで、戦国時代に存在した、織田信長に仕えた弥助という黒人の家臣が、ポリコレのテコ入れのように映ってしまった側面もあると思うんですよね。
個人的な感想ですが、フィクションであれば、Assassin's Creed というげゲームの主人公のひとりに弥助を起用したのは面白いと感じましたし、ゲームのトレイラーを見て、こういう派手な感じで作るんだ。と楽しめたでしょう。実際、トレイラーを見て、プレイしてみたいと思いました。
Assassin’s Creed シリーズは、言い方は悪いですが、シリーズを経てもやることはあまり変わらないため、本作で「ダブル主人公」という新機軸を導入し、忍者と侍と役割を分けることで、マンネリ感を払拭したかったのかもしれませんね。
勿論、その試みは悪くないし、日本を舞台にするのも悪くない。弥助のことだって着眼点は良いと思います。
これまで史実とは切り離してきたのに、なんで今回は史実にこだわってしまったんでしょうね。
本件は、アート・ディレクションの責任者および時代考証を担当した人の罪が、相当大きいと思います。
今から「史実といったのは間違いでした。本作は史実をモチーフにしたフィクションです」と言ったところで、燃え上がった火は鎮火するのだろうか?
まあ、そんなの関係ねー!つって売ってしまってもいいけど。結果、ゲームは面白ければ売れるだろうし。
それはそれで、せっかく面白いのにケチがついてもったいないって話しにはなってしまうけど。
そうそう、コンセプトアートに素材を無断使用した件は、公式に謝罪したみたいです。
『アサシン クリード シャドウズ』に関するお知らせ
— Ubisoft Japan (@UBISOFT_JAPAN) 2024年7月8日
公開済であるコンセプトアート2点に、関ケ原古戦場おもてなし連合「関ケ原鉄砲隊」の旗が無断で使用されているとのご指摘を受けております。
団体様には謝罪の機会を頂戴し、受け入れていただきました。…