でゅら~の暇つぶし

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【ライブレポ】A TRIBUTE TO JEFF BECK (2025.02.11)

 2023年1月10日に亡くなった Jeff Beck の公式追悼イベントだよ。

 

x.com/tribute_jb/status/1861564367986401611

 

タイトル:

  A Tribute To Jeff Beck

  by Char with Hotei and Matsumoto

  featuing The Jeff Beck Band

  Rhonda Smith, Anika Nilles, Jimmy Hall and Gary Husband

MEMBER:

  TRIBUTE GUITARIST

    Char

    布袋寅泰

    松本孝弘

  JEFF BECK BAND:

    On Bass:Rhonda Smith

    On Drums:Anika Nilles

    On Vocal:Jimmy Hall

    On Keyboards:Gary Husband

開催日程:

  2月11日(祝・火) / 東京 / 有明アリーナ

公演時間:

  開場 / 15:30 , 開演 / 16:30 , 終演 / 18:30

 

SETLIST 

  GUITARIST:Char

    01. Led Boots

    02. Beck's Bolero

    03. Rice Pudding

    04. Morning Dew (Bonnie Dobson cover)

    05. Wild Thing

  GUITARIST:松本孝弘

    06. Cause We've Ended As Lovers (Syreeta cover)

    07.Too Much To Lose (Jan Hammer cover)

  GUITARIST:Char

    08. Superstition (Stevie Wonder cover)

    09. Jailhouse Rock (Elvis Presley cover)

    10. Train Kept A-Rollin' (The Yardbirds song)

    11. All Shook Up (Elvis Presley cover)

    12. Little Wing (The Jimi Hendrix Experience cover)

  GUITARIST:布袋寅泰

    13. Hammerhead

    14. People Get Ready (The Impressions cover)

  GUITARIST:Char, 布袋寅泰

    15. Freeway Jam

    16. Blue Wind

  GUITARIST:Char

    17. Jeff's Boogie (The Yardbirds song)

-enc-

  GUITARIST:Char, 布袋寅泰, 松本孝弘

    18. Going Down (The Alabama State Troupers cover)

  Outro. Over The Rainbow

 

 天候には恵まれたものの、寒風吹き荒ぶ有明アリーナにて、故 Jeff Beck のトリビュート・ライブが開催されました。

 本公演は、お墨付きの公式追悼イベントで、ちゃんと The Jeff Beck Band が出演するのがポイントです。

 また、Char、布袋寅泰松本孝弘という、日本でも特に人気の高いギタリストが共演するということもあり、お値段高めのチケット代なのに、当日は、会場が 9割方埋まるという盛況ぶりでした。

 

 結論から言ってしまうと、”Char with Hotei and Matsumoto” これに尽きる公演でした。

 正直、来場者の雰囲気は、あまり Jeff Beck リスペクトって感じではなかった。

 個人的には、それが少し残念。

 

 しかし、出演者からは Jeff Beck リスペクトの念が強く感じられ、とても素晴らしい 公演で、2時間があっという間に過ぎていってしまった。

 今回のホスト的な役割を果たした Char 。

 登場時のいで立ちは、トレード・マークにもなっている羽根つき帽に白いシャツ。そして、白いストラト

 Jeff Beck と親交があった Char は、今日のためにプライベートで撮影した写真を持参し、ステージにそっと飾ったのが印象的でした。

 そのせいか、Jeff Beck の存在を身近に感じたし、より尊敬の念が深まったような気がしたし、より追悼公演なんだという意識が根付いた。

 曲によっては、Jeff Beck を意識した奏法も再現され、在りし日の彼の姿と重なって、胸が熱くなりました。

 

 松本孝弘は、自身のアルバムでカバーしたこともある "Cause We've Ended As Lovers" をプレイ。

 Jeff Beck をただなぞるではなく、好きな曲を自分らしく演奏する姿は、ギター・ヒーローではなく、ギター・キッズのような雰囲気も感じられました。これは、松本孝弘にとって、Jeff Beck という存在がどういう立ち位置にいるのかを、よく感じられる様子でもあり、印象深かった。

 もう一曲は "Too Much To Lose" をプレイ。こちら、B’z 揃って好きな楽曲らしく、本公演に出演できない相棒を想っての選曲なのかな?って思うと、B'z というバンドが、いつもより少し身近に感じられました。

 

 布袋寅泰の "People Get Ready" は、本公演で特に素晴らしいと感じた一曲でした。

 Jimmy Hall の熱唱という要素もあったけど、この選曲に特別な想いを感じたんだよね。

 原曲は、「公民権運動によって人種差別がなくなり、新しい世界がくることを信じているぞ!(確信している感じじゃないところがキモだと思う)」って感じの内容だったと思います。

 あんまり追悼公演で演奏するような内容じゃないって思いますよね?

 でも、ぼくはこの歌に、時代を切り拓いてきた先人への尊敬の念と、それをしっかり守り継いで行くという、ある種の覚悟も感じました。

 だから、そういうところは、本公演にぴったりだし、特別に感じたのかも。

 

 Char と布袋寅泰の "Freeway Jam" は、音で遊んでる感じがめっちゃ伝わってきて最高だったし、アンコールでの Char 、布袋寅泰松本孝弘揃い踏みでの ”Going Down” は、三者三様の解釈、音、プレイが際立って興味深く、お祭り騒ぎみたいで観ていて飽きなかった。

 最後、終演を告げたのは、Jeff Beck がカバーした "Over The Rainbow" でした。

 その優しい響きを聴いて、彼は虹を渡っていってしまったのだと悟らされてしまった。

 ただ楽しいだけの公演でなく、しっかり追悼の念を抱かせる良い公演だったと思います。