なにやら炎上しているらしい。
そう耳にして、そんな酷いのか確かめてきた。
ケロロ、好きだったしね。
※CAUTION※ ネタバレ含む ※CAUTION※

タイトル:
新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!
轟音上映
上映会場:
TOHO CINEMAS 上野
上映時間:
109分
映画公式:
まず、結論を言っちゃいますか...
こーれ、普通に面白かったっす!
何回も見ようって作品ではないし、「周囲に勧めるか?」って言われたら No だけど、映画.com で評点 1.3 は明らかに低すぎ。
この映画を見終わった後、「軍曹おかえり」って素直に思えました。つまり、ぼくの中では本作の出来栄えに納得できたということです。だから、「普通に面白かった」という評価です。
あらためて。
ケロロ軍曹とは
月刊少年エース連載中の、吉崎観音による SF コメディ漫画。1999年から連載の長寿作品です。
発刊ペースこそ落ちましたが、とても人気の高い作品で、テレビアニメ (~2011年)、劇場版アニメ化 (最終公開 2010年) をしています。
今回、「16年振り」という煽りが使われているのは、劇場版アニメの制作が 16年振りだからです。
ちなみにこの秋には、新作テレビアニメ「ケロロ軍曹☆ (けろろぐんそうすたー)」の放送が控えているでアリマス!
新作テレビアニメの方では、既存のキャストが一新されるとのことで、16年振りとなるケロロ軍曹との再会が、知らない声でなく、アニメ版のオリジナルキャストだったことから、「おかえり」感が強く、あの楽しい時間が帰ってきたという実感にも通じて嬉しかった。
ケロロ軍曹のストーリー
地球を侵略しに来た宇宙人が、なぜか地球の一般家庭に居候し、オタク文化に溺れながらダラダラ過ごす日常を描いたハートフル・コメディが本作です。
オタク文化をメインに扱っていることもあり、他作品のパロディが多めに含まれています。また、ケロロ軍曹の趣味が「ガンプラ作り」ということもあり、とりわけガンダム関連作品のパロディが多いのも特徴です。
そういえば、ケロロ軍曹の声を担当している渡辺久美子は、機動戦士Vガンダムにて、同作のヒロイン (?) カテジナ・ルースの声も担当していますね。
話がズレましたが、テレビアニメ「ケロロ軍曹」は、テレビ東京系列で放送されていて、時間帯も子供が視聴できる時間帯だったこともあり、小さいお友達と大きなお友達の間で人気を集め、2000年代の日本のポップカルチャーを席巻した大ヒット作ともいえます。
さて、映画の感想に入ります。
本作を見て感じたストーリーのコンセプトは、「ケロロ小隊が侵略をサボっていた間に台頭したコンテンツをパロディする」って感じ。
元々、パロディ色が強い作品なので、ストーリーの進行に合わせて、様々なパロディが挿入されていて、まさにケロロ軍曹って感じだった。
ただ、差し込んだパロディが多すぎて、ネタが飽和状態になっており、映画作品としてのキャラやネタの掘り下げが浅く、ストーリーを楽しむというよりは、ノンストップで駆け抜けるって感じだったかもしれません。
また本作は、16年振りの人には「久しぶり。帰ってきたよ」という再会の挨拶。お初の人には「ケロロ軍曹っていうのはこう言う作品だよ」という自己紹介を兼ねた作品でもあり、もっと言うと、秋からはじまる新作テレビアニメの宣伝映画という立ち位置の作品だと思います。
本作は、ぱっと見「ケロロ軍曹ってどういう作品?」ってのが分かる作りになっていたので、十分、宣伝の役目も果たしていると思います。
自己紹介も兼ねていますから、各キャラがどのような性格で、人間関係もざっくりわかりやすく整理されていたから、ケロロ軍曹初心者が見ても、ある程度楽しめる作品だと思います。本作が気に入ったなら、新作テレビアニメも、是非、視聴していただきたいです。
内容としては、2時間弱の中に、自己紹介、ケロロ軍曹としてのパロディ、他コンテンツのパロディ、福田監督のパロディ、ストーリー展開といったものを押し込めたので、それはもうギッチギチ。でも、ネタは詰まってるけど、内容としてはパロディなので、物語には深みを感じませんでした。
キャラクターデザインは、テレビアニメ版というより、原作漫画に近かったような気がします。このあたりに、原作リスペクトを感じました。
音楽も良かったし、なんと言っても、アニメ版オリジナルキャストの声で再会できたことが、素直に嬉しかった。
これらのことからは、少なくとも、ケロロ軍曹というコンテンツを大事に扱おうという気遣いは感じられました。
炎上原因のひとつとなっている、福田監督の実写キャストのゲスト出演は、あまり気になりませんでした。
福田監督は、自身の作品に独特の世界観に基づくシュールギャグ (メタいクソ寒オヤジギャグ) を差し込んで来る監督で、ある意味、それが福田作品の「味」となっています。
本作での福田組パート (福田監督キャストが出演するパートのこと) では、そのギャグが寒いことを理解した上で、自虐ネタとして差し込んであり、ある種のウザさ、ダルさはあるものの、目くじら立てて怒るほどのものではありませんでした。
福田組パートに対し、ぼくがこのように感じられたのは、福田監督の映画を見たことがあるからだと思います。もし、初見でこれを浴びてしまったら、きつかった可能性は否定できません。
では、なぜ、福田監督に白羽の矢が当たったのでしょう?福田監督は、実写作品では実績がありますが、アニメ作品では実績が乏しいことは否定できません。
察するに、コラボやパロディの手腕が、ケロロ軍曹という作品と相性が良いと判断されたとか、実写作品の中に、アニメ作品が多くあり、また、それらがケロロ軍曹と同じテレビ東京で放送されていたアニメだったこと、そして、ケロロ軍曹アニメ化20周年という節目の年だから、なにか新しいことをしようとして、アニメ監督ではなく、実写監督で制作しようということになったのではないかと予想できます。
そう考えると、ケロロ軍曹の伝統芸「吹き出し (ナレーション) によるツッコミ」と、福田監督の「メタいシュール・ギャグ」について、親和性がるのでは?と期待したプロデューサーの気持ちも分からなくはない気がしてきました。(気のせい)
一方、ぼくがこのパートで唯一許せなかったのは、新八がアニメの声優でなかったことです。
銀魂に登場する新八の声は、阪口大助が充てています。この方は、機動戦士Vガンダムの中で、主人公ウッソ・エヴィンの声も充てています。つまり アニメの声優が声を充てたのであれば Vガンダムの主人公とヒロインが揃って出演するということで ワンチャン Vガンダムのパロディが挿入された可能性があったんです そこに 実写版の菅田将暉をキャスティングし Vガンダムパロディの可能性を消し去ってしまったことが残念でしかたありません。
...すみません。厄介オタクが顔を出してしまいました。
映画外での炎上で取り上げられた、小栗旬のコメントがあります。
検索したら削除前のものが残っていたので、引用しますね。
■小栗旬(坂田銀時役)コメント全文 ただ、出ろ、やれ、皆集まったんだから。って言われたんでしぶしぶやりました。 なので、なんの思い入れもありません。 ただただ、お邪魔しちゃってすいません。 きっとヒットするんだろうから、もっとお金ください。 ただ、ありがとよー、ケロロ軍曹おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉ
引用元:
「銀魂」実写版銀さん・小栗旬
— オリコンニュース【アニメ】 (@oricon_anime_) 2026年6月26日
まさかの『ケロロ軍曹』出演https://t.co/HSGPm62IEA
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■小栗旬(坂田銀時役)コメント全文
ただ、出ろ、やれ、皆集まったんだから。って言われたんでしぶしぶやりました。
なので、なんの思い入れもありません。
ただただ、お邪魔しちゃってすいません。… https://t.co/ZB9SHbaVIY pic.twitter.com/pLt31VaLd0
銀時のロールプレイってわかりやすいように、ちゃんと「小栗旬(坂田銀時役)」って記載してあります。まあ、内容的には、銀時というか、空知英秋っぽい気もしますが。改めて読むと、「反感もたれてもしゃーない」とは思いますね。
ただ、小栗旬が本心から言ったわけではないのは明白なんですよね。それなのに、額面通りに受け取ってしまった人が多く、公式からはこのコメント、削除されたらしいです。
まあ、福田組のくだりがキツかったら、このコメントにイライラするのはわかります。
でも、多くの人は、これ、パロディってわかると思いますよ。変な燃え方をしてしまったので、小栗旬への誹謗中傷へと発展しないよう、公式が謝罪したというのは、正しい判断だったと思います。
また、「ナレーションのメタいツッコミがウザい」という不評もあったみたいですが、ケロロ軍曹ってそういう作品でしたよね。みんな忘れちゃったの?
もし、違うとするなら、ナレーションを担当したのが、アニメオリジナルの藤原啓治ではなく、長谷川忍 (お笑い芸人) だったこと。かつて見たテレビアニメでは感じず、本作で不快感を覚えたのであれば、それは藤原啓治が見せた本職の技術の差ってことなのだと思います。
藤原啓治は鬼籍に入っているから、結局、誰がやっても不評だったんじゃないでしょうか。そういう意味では、これは約束された炎上だったとも言えます。
個人的には、長谷川忍のナレーション、良いと思いました。
どことなく、森本レオを彷彿させるような、訥々と淡々とナレーションしたり、お笑いのツッコミのように勢いよくしたりなど、シーンに応じて表現を変えていたのは、めっちゃ考えて作品に臨んでいるということが伝わってくるようでした。
そういえば、森本レオと長谷川忍は、テレビドラマ「凪のお暇」で共演していたから、その経験がここで活きたのかもしれませんね。
楽曲を担当した あのちゃん、粗品 (お笑い芸人) についても、不満を覚えるどころか、めっちゃ良かったっす。
オープニングを飾る "また帰ってきたケロッ!とマーチ" は、おふたりによる歌唱でした。
原曲の "ケロッ!とマーチ" の雰囲気を大事にした歌唱で、「ケロロ軍曹が帰ってきた」っというノスタルジックな想いと、再会できた喜び、また愉快なやりとりを楽しめるんだというワクワク感が湧いてきました。
エンディングの "貸しっぱなしデスティニー" は、音楽的にはラウド・ロック調で激しめの曲調ですが、あのちゃんの歌唱と、コミカルな世界観の歌詞も相まって、ドタバタコメディのエンディングとしてとてもマッチしてると思います。
繰り返される「漫画返せ (あるいは 漫画返せよ とも聞こえる)」は、思わず一緒に歌いたくなるフレーズですし、メロディも楽曲の進行に合わせ、エモく展開していくので、この「新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!」という作品、ぼくは最後まで退屈することなく完走できました!
すいません。ウソをつきました。福田組パートはダルかったです。
ま、まあ、何かと酷評されていますが、実際に見ると、そこまでの作品ではありません。
福田組耐性が無いと厳しいところがありますが、総じてリスペクトを感じる良い作品で、言われているような雑に作ったものでは、決してありません。