でゅら~の暇つぶし

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【NEWS】EVO MARK JULIO が運営の不手際を謝罪 (2026.05.06公開)

 「獣道」の運営不手際について、Evolution Championship Series (以下、Evo) の Business Development (事業開発) の Mark Julio が謝罪しました。

 何が起こっていたのか説明します。

 

 なお、本記事には、運営体制への個人的な感想を含みますが、運営批判はフィードバックの意図を込めて記載しています。

 

www.youtube.com/watch?v=jbZzDGzj16k

 

 2026年4月29日(祝・水) に開催された格闘ゲームイベント「Evo Legends LIVE

  獣道 ウメハラvsMena RD」の運営について、不手際が重なったことから、来場者、配信視聴者から多くの不満の声があがっていました。

 それについて、Evo の 事業開発責任者である Mark Julio が、私的な立場から謝罪文を掲載しています。

 

I wanted to apologize deeply from my personal standpoint. Please forgive me for not being able to fully express myself in Japanese properly. 

I am someone that works in the background of the fighting game scene and have been part of the community for most of my life. 

I have an immense respect and admiration for Umehara-san. I have a very long history with Umehara-san and have always loved the Japanese fighting game scene.

As such, I am filled with embarrassment and shame from the event outcome.  I apologized to Umehara-san and his team members personally after the event ended. Even then, I know it’s not enough.

I do want to personally thank the players and communities that put their blood, sweat and tears into preparing for this event. Many of the team members are reading the feedback and response from the fans/viewers. I understand the anger and frustration. I appreciate the feedback and will continue to read it all.

 

-意訳、要約-

 イチ格ゲーファンとして、聖域を汚してしまったことを心底申し訳なく思っている。

 それを直接謝罪したが、それでは足りないということは理解している。

 この一戦に心血を注いでくれたプレイヤーに感謝を捧げる。

 みんなの怒りや失望の声は、フィードバックとして受け止める。運営チームとして、それらの声を教訓にしていく。

 

 

 また、ウメハラが所属 (記事記載時点) する e-sports チーム Reject も、公式に謝罪文を掲載しています。

 

皆様、昨夜行われました「Evo Legends Live」につきまして、まずは選手達の素晴らしい試合を応援いただき誠にありがとうございました。

しかし多大なるご期待をいただきながら、この一戦が持つ歴史、重みや機微を正しく伝えることができず、多くの皆様に多大なる失望を与えてしまいましたこと、また、全身全霊をかけて挑んだ選手の皆様に深くお詫び申し上げます。

今回の配信制作において、
私たちREJECTは制作の主体ではなかった為、助言に留める形でしか関われなかった背景がございました。

しかしながら「獣道」というコンテンツが持つ独自の温度感、そして選手が人生を懸けて挑む戦いの重さを、主催であるEVO運営・現場の方々へ十分に伝えきれなかったこと。そして、より早い段階から制作に深く介入し、毅然として口出しをすべきであった自らの甘さを、今、痛切に反省しております。

歴史に残る一戦を、正しくお届けできなかったことは、当事者として深く恥じております。選手両名の並々ならぬ覚悟に対し、それを世に送り出す側の準備と敬意が圧倒的に不足しておりました。
この事実を重く受け止め、組織としての在り方を根本から見直してまいります。
今後は、たとえどのような制作体制であっても、私たちが関わる以上は「選手の輝きとファンの期待」を守り抜くために、不退転の決意でイベント・コンテンツを主導し、徹底した品質管理を貫けるよう尽力いたします。

これからもREJECTに変わらぬご声援をいただけますと幸いです。

 

 

不手際とは?

 Evo Legends Live 獣道において、どんな不手際があったのかを紹介します。

 

大幅な進行遅延とアナウンス欠如:

  開演予定時刻が1時間以上遅延。

  配信や会場での説明不足。

技術的なトラブル:

  音声、映像の切替ミス。

  明らかなリハーサル不足。

「獣道」への解像度の低さ:

  従来の獣道とは異なる演出が目立った。

 

 ③は、「運営の不手際か?」と問われれば、異なるかもしれませんが、不満が上がった要素として記載しました。

 ぼくが特に酷いと感じたのは、② の部分で、紹介文としては「ミス」として表記しました。しかし、この「ミス」には、ウメハラ vs Mena RD の試合後、「Winner Daigo」と誤表示されたというものも含まれます。

 みなさんご存知のとおり、この試合を制したのは Mena RD 選手です。

 人がやる仕事なので、ミスは付きものといっても、これは (特に獣道においては) 致命的なミスの類だと思います。

 さらに、ここに至るまでに様々な不備があったという流れもあり、最悪のタイミングで最悪級のミスをやらかしてしまいました。

 また、③ については、直接会場を訪れるなど、長年のファンであればあるほど、ストレスが溜まった不手際だと思います。

 

 

獣道について

 獣道は、因縁のあるプレイヤー同士が決着をつけるイベントです。

 また、負けたら出禁で、これによって、一度きりの真剣勝負という性質を帯びています。

 なので、主役はプレイヤー。それ以外は見守るだけという形式です。

 ですが、本イベントでは、事前のインタビューや、観客の勝敗予測など、獣道にしては、無駄な尺 (エンタメの要素) が多かった。そのため、これから試合に臨むプレイヤーへの配慮を欠くようなシーンが目につき、それが、プレイヤーよりイベントの進行の方を大事にしているように映り、結果、見る者のストレスとなったのでしょう。

 たとえば、格闘技イベントの地上波放送で、「CMのあとすぐ!」という表示で尺稼ぎすることが多くありますが、あれが嫌われるのと同じ理屈だと思います。

 勿論、獣道にエンタメ要素が無かったわけではありません。開催前には、煽り VTR が公開され、因縁を煽りまくりました。ですがそれは、因縁の図式の説明や、イベントを盛り上げるために必要なことでした。

 Evo Legends においては、前述の不手際や演出のミスマッチもあり、大層な名前が付けられている割には、「Evo Japan 前のエキシビジョン・マッチだろ?」って感じで、運営が軽く扱っているように見えました。

 なぜならば、「負けたら出禁の真剣勝負」というコンセプトが共有されていたら、明らかにリハーサル不足の雑な運営にはならないからです。だから、多くの人が「獣道」を謳うなら、そのスピリッツも汲んで欲しかったと言うのでしょう。

 

 

エンタメ化について

 単なる娯楽のひとつでしかなかった格闘ゲームが、プロの競技シーンに変わっていくのだから、かつてのような、「プレイヤーのためだけのイベント」でいられないと言うのは理解できます。

 本公演の問題点は、エンタメ化が悪いのではなく、エンタメとしても質が低すぎたのが原因だと思います。

 まず、①については、どこかで説明すべきだった。それをしなかったのは、¥5,500- を払って見に来てくれた来場者を軽く見ていると言われても仕方ない。ファンを軽視することは、コミュニティの寿命を短くすることにも繋がるから、注意しなければならないところでした。

 次に、ウメハラ選手の「来月45歳になるけど、今が全盛期だから、勝ったら誇っていいよ」というコメント。これが、壇上のインタビュアーには正しく伝わっていなかったのはきつかった。 「?来月45歳?(それがこの試合に何の関係が?)」みたいな反応でした。

 インタビューするにしても、そこを伝えられる人でないと、イベントの雰囲気を損ねる上、エンタメとしても白けてしまう。

 一方、試合前に選手呼び込みのアナウンスがありました。それがラスベガスで開催されるボクシングのタイトル・マッチのように派手で力強く、テンションが上がった。これは良い点でした。

 本公演、獣道に Evo Japan の手が入っていても、その運営関係者への相談などで、そのスピリッツも継承することで、エンタメとして上手く提供できたハズです。

 非常に残念なことですが、今回、それがされず、エンタメのパッケージとして見ても、ユーザーに納得できる品質が伴わなかった。だから炎上したってことだと思います。

 今回の失敗が繰り返されないことを祈らずにはいられません。

 

 

謝罪について

 まず、Evo 事業開発 の Mark Julio の謝罪が、個人としての謝罪だったこと。

 これ、「公式じゃないんかい!」と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか?

 現在の Evo は、単なるコミュニティ・イベントではありません。

 Evo が RTS Management (以下、RTS) に買収され、その RTS も、Qiddiya に買収され、運営は RTS ですが、Sony Interactive Entertainment (以下、SIE) が NODWIN Gaming へ株式売却したり、それを RTS が買収したり、今 Evo は、激動の時期で、実に複雑な組織構造になっています。ですから、公式としてアナウンスするには、広報や法務などの組織内の手順を踏まなければならないことが予想されます。

 

 近年の Evo の資本にまつわる動きをまとめてみました。

 

2021年3月

  SIE と RTS が Evo を共同買収

2025年8月

  SIE が Evo の持分を NODWIN Gaming へ売却

2025年9月

  Qiddiya が RTS を完全買収

2026年2月

  RTS が NODWIN Gaming の持分を取得し、EVOを完全買収

 

 以上の背景もあり、第一声として、個人的な立場からのコメントになってしまうのは、仕方のないことでしょう。

 また、Mark Julio が統括するのは事業開発で、現場の実務に関する全ての全権があるわけでもなく、そうした巨大な組織となってしまったが故に、公式として謝罪することはできないのだろうと想像できます。

 彼の役職 事業開発 について考えてみましょう。

 その仕事は、Evo のさらなる成長のための事業提携や市場分析など、Evo の価値を高め、ユーザーに届けることだと思います。言うなれば、Evo と獣道を繋げたのが彼の役職での成果でしょう。

 一方、運営や演出面は、別の部門が担当しており、権限が及ばなかったということが考えられます。

 ですが、Evo の価値を低くしてしまったこと、事業開発の責任者であることから、「from my personal standpoint」となったのでしょう。ここに、Mark Julio の苦悩が現れていると、ぼくは感じました。

 

 個人的には、Reject の方の謝罪文にこそ問題点があると思います。

 そう思うのは、この部分。

 

私たちREJECTは制作の主体ではなかった為、助言に留める形でしか関われなかった背景がございました。

 

 この一文によって、なんのために投稿したのかが明確になってしまった。

 これはつまり、責任範囲を明確にするための文であり、言い換えれば、自分の組織を守るための文ということです。

 個人的に、この一文を入れて掲載するくらいなら、謝罪文を掲載しないほうが良かったとも思います。

 計らずとも、Mark Julio の謝罪文と対照的になっていますね。きつい言い方になりますが、どれだけ言葉を連ねても、Reject の謝罪文、ぼくには保身のために書かれたように映ってしまいます。

 「主体でないなら、謝罪する必要なくね?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。ぼくの考えでは少し違います。それは、Reject が、RTS と戦略パートナーシップの覚書を結んでいるからです。

 

prtimes.jp

 

  この中に「イベント・映像コンテンツの共創」と記載されていますから、この件についても当事者だと思われます。だから「主体ではなかった」としながらも、当事者なので謝罪文を掲載する必要があったのでしょう。

 

 結局のところ、イベント運営の不手際が発生してしまった原因は、急激に運営体制が変わったため、関係する企業間/部門間の連携がうまくいってなかったことにあると思います。

 各国で開催されるイベントについて、円滑な運営が行えるよう、パートナーシップを締結したのでしょうが、結局、何の意味もなかったどころか、大きな混乱を呼び、プラスではなくマイナスになってしまいました。

 国際的なイベントであるため、いろいろ難しいのでしょう。トライ&エラーを繰り返し、より良いイベント運営になるようお祈りいたします。