でゅら~の暇つぶし

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【レポート】井上尚弥 VS 中谷潤人 (INOUE NAOYA VS NAKATANI JUNTO) (2026.05.02公開)

 スーパー・バンタム級最強は!?

 いざ、4団体統一王座防衛戦!

 

emino.docomo.ne.jp/ft/0000002/

 

タイトル:

  世界統一スーパーバンタム級タイトルマッチ

開催場所:

  5月2日(土) / 東京 / 東京ドーム

公演公式:

lemino.docomo.ne.jp

 

 スーパー・バンタム級世界王座、しかも、統一王座を懸けた、無敗同士の最強対決!

 ついに、その火蓋が切られる日がきた!

 

☆ 井上 尚弥 (Naoya Inoue)

  戦績:33戦 33勝 0敗 27KO

    獲得タイトル一覧

      WBC世界ライトフライ級王座

      WBO世界スーパーフライ級王座

      WBA世界バンタム級王座

      WBA世界バンタム級スーパー王座

      IBF世界バンタム級王座

      WBC世界バンタム級王座

      WBO世界バンタム級王座

      WBO世界バンタム級スーパー王座

      WBC世界スーパーバンタム級王座

      WBO世界スーパーバンタム級王座

      WBA世界スーパーバンタム級スーパー王座

      IBF世界スーパーバンタム級王座

      WBC世界スーパーバンタム級ダイヤモンド王座

      ※主要団体のみ、ローカル、暫定王座は省略

  年 齢:33歳

  身 長:165cm

  リーチ:171cm

  スタイル:オーソドックス

 

  12R 判定 3-0 (116-112 / 115-113 / 116-112)

 

★ 中谷 潤人 (Junto Nakatani)

  戦績:33戦 32勝 1敗 24KO 

    獲得タイトル一覧

      WBO世界フライ級王座

      WBO世界スーパーフライ級王座

      WBC世界バンタム級王座

      ※主要団体のみ、ローカル、暫定王座は省略

  年 齢:28歳

  身 長:173cm 

  リーチ:174cm ※wiki では 176cm だが Box Rec 準拠の記載

  スタイル:サウスポー

 

  怪物 井上尚弥とビッグ・バン 中谷潤人の、無敗同士の決戦!

 下馬評では、井上選手の勝利を予想する人が多かったが、中谷選手には”ビッグ・バン”と称される一発があり、決して楽観できる試合ではないという感じ。

 

 試合結果は 12R 判定だし、そのポイントも大差というほど離れていないので、そこからは、壮絶な接戦という印象を持たれるかもしれない。しかし、実際には、「井上選手が中谷選手を完封した」くらいの差を、ぼくは感じた。

 ボクシングという競技は、極論、攻め続けて相手に、より多くのダメージを与えた方が勝つという性質の競技。だから、相手の得意な距離に踏み込んで戦わなければならない。そうすると、フィジカルが有利ならば、試合を有利に進められるとも言える。

 フィジカル差とは、体重、骨格のこと。ボクシングは、体重別に階級が分かれているので、その有利/不利は無い。なので、わかりやすいフィジカル差とは、骨格によって確認できる。この組み合わせで言うなら、井上選手は、身長165cm、リーチ171cm。中谷選手は、身長173cm、リーチ174cmなので、こと、フィジカル面では、中谷選手が有利だろう。数値面では。

 

 序盤の展開では、お互い、ジャブの差し合いで様子を見て、隙があったら踏み込む井上選手、中谷選手は、打ち終わり、もしくは離れ際のカウンターを狙うイメージ。

 ちょっと興味深かったのは、井上選手の構えで、ボクシングのオーソドックスな構えというよりは、前手を上げ、腰を垂直気味に深く落とすように構えるタイミングが見受けられ、それが、昔、カンフー映画で見た蛇拳の構えのようでした。ただし、構えから受けるイメージは、蛇というよりはカマキリで、そう感じたのは、うねりからみつくような蛇の動きではなく、最速で相手の急所をつく直線的な動きに、両手を構えて突進するカマキリを感じたのかも。

 この試合は、オーソドックスとサウスポーの組合せなので、お互いが構えたとき、前手が触れ合う距離。なので、そういう間合いの牽制もあり、ジリジリしつつ、スピードある選手同士なので、瞬く間の攻防もあり、序盤から本当に目を離せない試合だった。

 中谷選手は、(井上選手以外が対戦相手だったら) 確実にクリーン・ヒットできるようなタイミングでカウンターを放っていましたが、なかなかダメージには繋がらない。これには、内心の焦りがあったと思われます。しかし、自分の積み重ねを信じ、最後まで戦い抜いたのは流石でした。

 ラウンドが少し進むと、井上選手は距離感を掴んだのか、前手で牽制するのを止め、オーソドックスに固める。ペースは井上選手で、リーチ差があるにも関わらず、鋭い踏み込み、ステップ・ワークで、中谷選手に狙いを定めさせず、プレッシャーをかけ続けた。

 中谷選手のジャブよりも、井上選手の方のジャブの方が、相手に届いたように感じる。フィジカルでは中谷選手に分があったはずだ。なのに、そうならなかったのには、ふたつのポイントがあったように思う。

 まず、構え。中谷選手の重心は後ろにあり、パンチを打つ距離が長かったこと。井上選手は、中心もしくは前傾だったので、その距離が短かった。

 そして、距離。井上選手は、中谷選手の内側に入ってパンチを打っていたので、パンチの軌道が最短だった。中谷選手は、外側からだったので、ここでもパンチを打つ距離が長くなってしまった。

 

 序盤の攻防では、井上選手がスピードを活かし、大幅にリードしたため、中谷選手は、それを挽回しなくてはならなくなった。

 中盤も最初の方は、井上選手の勢いは止まらず、長い距離を踏み込んでのボディ・ストレートや、接近してからアッパーなど、上下の打ち分けがあり、巧で手数が豊富だった。

 半分を超える頃には、中谷選手が、自分のリーチを活かしてパンチを打つ機会も見られるようになるも、どちらかというと、井上選手が終盤への備えとして、無理に踏み込むのを控えたようでもあった。序盤に大幅なリードを取った井上選手は、無理にポイントを稼ぐ必要が無いからだ。また、井上選手が前にでてこないことで、中谷選手のカウンターを狙う機会を封じることにもなるため、ラウンドは取られるのも視野に入れ、不要なダメージを避け、スタミナを温存し、ペースの調整を計ったのかも。

 

 終盤のラウンドでは、井上選手がコーナー・ポストを背負うシーンもあったが、パンチは見えている感じで、不利なシーンにも関わらず、安心感があった。

 最後は、KOでないと勝てない中谷選手に対し、リスクを避け、勝ちに徹した井上選手という感じで試合が展開した。

 井上選手は、中谷選手の強打をいなし、時には冷静に受け、自身へのダメージは最小限に、そして、中谷選手には効果的にダメージを与え、試合を制した。

 

 終盤は、序盤にリードを許したことで、中盤以降、全力で攻めねばならなかった中谷選手と、序盤のリードを活かし、冷静に試合を組み立てた井上選手の差が、如実に出た展開だったと思います。

 

 両者の差としては、井上選手のスピードが異常だった。

 これは、単なる動作の速度の話しではなく、脳の判断速度、そして、反射速度を含めたスピードの話しで、通常の選手であれば、「見てからでは絶対に間に合わない」そう感じる動作を行っているように見えた。それも、一度や二度ではなく、何度もあったのが恐ろしい。それは、単なるラッキーだったということでなく、それが井上選手にとってスタンダードだということを示し、つまりは、本当の意味で「怪物」だということを指すからだ。

 中谷選手も、こう打たせたら絶対にカウンターを取れるという対策と、そのプランを 12Rやりきる積み重ねが見えるようなシーンが多くあり、また、終盤の攻防でも、この試合に懸ける想いが気迫に現いた。改めてハートの強い素晴らしい選手だと感じた。

 

 素晴らしい試合でした!

 

 

 試合は、前述のとおり、井上選手が怪物過ぎたという点に尽きると思います。それは、ジャッジにも表れているのではないでしょうか。

 ジャッジは、3-0 で井上選手の勝利を支持しました。しかし、「116-112 / 115-113 / 116-112」という判定内容でしたね。

 よほどの実力差があって、対戦相手を翻弄し、圧倒したという展開以外では、大差判定ということはないので、116-112 という採点は、この試合では順当だと思います。3人のジャッジの内、2人がこれを付けているので、ジャッジの正当性は保たれていると言って良いでしょう。

 オリコン・ニュースの X 投稿では、ジャッジ・ペーパーが公開されているので、紹介しておきますね。

 

ボクシング【THE DAY】
井上尚弥🆚中谷潤人
ジャッジペーパー🥊
116-112
115-113
116-112
判定3-0で井上の勝利✨#THEDAY pic.twitter.com/9PNa1BWtaN

— オリコンニュース【格闘技】 (@oricon_fight) 2026年5月2日

 

画像 

 

 このような高い実力を持った選手同士の戦いでは、ジャッジの特性 (選手の何を支持するか?) により、ラウンドの支持が分かれますし、また、スリッピング・アウェイ (パンチを受けた瞬間に首をひねり、パンチの軌道を逸らすことで、パンチの威力を軽減・無力化する技術) のように、一瞬の攻防では、技術か有効打か判別がつかないこともあるでしょう。だから、ジャッジの結果が、実際リングに立った競技者本人や、スロー再生で確認した結果とは異なることが起こるのです。

 なので、この試合でも、そういうことがあったのだと思います。ぼくも、スローで見ないと、「あ、これ当たってないんだ」というシーンが多くありました。

 ジャッジ席でリングで起こったことを 100%分析できるわけではありませんから、 115-113 という採点があっても、これは仕方のないことじゃないかと思います。