でゅら~の暇つぶし

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【NEWS】アメリカ&イスラエルVSイラン軍事衝突 (2026.03.05公開)

 中東の軍事衝突、再開。

 

 2026年2月28日、イスラエルがイランを空爆し、その結果、イラン最高指導者であるアリ・ハメネイ師が殺害されるというニュースが報じられました。

 

www.bbc.com

 

 2025年には、12日間戦争とも呼ばれる軍事衝突があった両国。

 まず、それがどんな流れだったか振り返ってみましょう。

 

停戦合意までの経緯

2025年6月13日:イスラエルがイランの核関連施設や革命防衛隊の拠点を攻撃

  ・両国、報復攻撃へ

2025年6月22日:米空軍、イランの核施設を攻撃

2025年6月23日:イラン、カタールの米軍基地へ攻撃

2025年6月24日:米トランプ大統領、イラン、イスラエルの停戦合意を発表

 ・イスラエル ネタニヤフ首相、停戦合意を発表

  勝利宣言:核兵器と弾道ミサイルの脅威を排除できた!

 ・イラン ペゼシュキアン大統領、停戦合意を発表

  勝利宣言:国民の勇敢な抵抗により、軍事進攻を跳ねのけた!

 

 2025年の12日間戦争は、アメリカ、イスラエルによるイラン核施設への攻撃が目的で、核拡散条約に抵触する疑いがあったため、実行された作戦でした。

 これについて、停戦後、国際原子力機構による調査が入りましたが、条約に抵触するような核物質は見つからなかったと記憶しています。

 「結局なかったんじゃねーか!」ってことですが、一応、攻撃時に別の場所へ動かした可能性もあるという指摘をして、一応、グレー決着みたいな雰囲気で収束した感じでしょうか。

 イラン的には、戦争前から保有していた、高濃縮ウランの所在が不明という点もあり、完全にシロというのも難しく、どちらに非があると単純に判断できないよう状況です。

 

 12日間戦争の言い分を整理してみました。

 ※は非だと思う部分です。

 

12日間戦争に関する主要3国の言い分

・イスラエル

 イラン核開発の危機に直面しており、自衛のために先制攻撃を行った。

 ※開戦のきっかけを作った。

・イラン

 核開発は平和利用を目的としたもの。

 アメリカとイスラエルこそ、国際法を無視した侵略者だ。

 ※国際原子力機構の査察を制限した過去があり、平和利用が疑問視された。

 ※兵器転用可能な高濃縮ウランの蓄積を報告しなかった。

・アメリカ

 イスラエルの自衛を支持。

 イラン核施設を爆撃。

 ※外交交渉より軍事介入を優先し、中東情勢の緊張を煽った。

 

 上記に補足するとしたら、イスラエルのネタニヤフ政権が、支持率低下にあえいでいたという情報もありますが、それが開戦のきっかけになったか、断言はできないため、言い分からは外しました。

 

 このような状況で停戦したため、各国成果が乏しく、また軍事衝突があってもおかしくない状況でした。

 これは、その懸念が現実に起こってしまったということです。

 

 停戦後、厳しい経済制裁を受けることになったイラン経済は、大変混乱しました。

 通貨価値の暴落、物価高、そして生活苦です。

 イランの地位は、1位に最高指導者、2位に大統領という順位になっており、大統領は言わば、最高指導者を守る盾のような役割を果たしています。ぼくの単純なイメージだと、国民のアイデンティティーを支える宗教指導者的な最高指導者へのヘイトを被るべく、政策を実行しその責任を取る大統領って感じ。

 この12日間戦争では、ゼペシュキアン大統領は、核査察について柔軟な対応を予定していましたが、最高指導者アリ・ハメネイ師のアメリカ、イスラエルへの不信を理由に、大統領の決定を覆すというやりとりもあったようです。もちろん、最高指導者への不満もでましたが、多くは大統領が受けることになりました。これが、イランの権力構造として、不可侵な最高指導者、批判できる大統領という構図を、端的によく表していると思います。

 

 さて、2026年に戻りましょう。

 2026年2月28日から、現在にいたるまでの流れをまとめました。

 

アメリカ、イスラエルVSイラン軍事衝突の流れ

2026年2月28日:アメリカ、イスラエルによるイランへの爆撃

  ・イラン最高指導者アリ・ハメネイ師殺害

2026年2月28日:イランによる即時反撃

  ・対象国:イスラエル、カタール、UAE、バーレーン、クウェートなど

2026年3月02日:イスラエル、レバノン空爆

2026年3月03日:イラン、ホルムズ海峡封鎖

 

 以後、空爆とその報復攻撃が繰り返している状況

 

 3月5日に至るまでの大きな出来事は 2点

 

・イラン最高指導者の殺害

・イランによるホルムス海峡の封鎖

 

 そして、アメリカ、イスラエルの目的は、

 

・イラン体制の転換

・イランの核ミサイル、核施設の破壊

 

 それぞれ考えてみましょう。

 

・イラン最高指導者の殺害

 イランは、大統領は2位で、最高権力者は最高指導者です。

 この出来事によって、大統領が臨時で最高指導者の代行をしています。

 これ、一見、大統領に全権限が集中し、国際社会に対して前向きな現大統領は、やりやすくなったように伺えます。しかし、閣僚の中には影響力の強い強硬派も残っており、大統領といえば思い通りに進めることが難しい状況にあることに変わりはありません。

 特に強硬派は、最高指導者の殺害に対し、「イスラム世界への宣戦布告」としており、徹底抗戦の構えをみせています。加えて、イラン軍は最高指導者権限なので、さもありなんという感じです。

 アメリカは最高指導者の殺害によって、現行体制の転換という目的を達成したようにも思えますが、前述のとおり、最高指導者の死によって、むしろ、抵抗を強めた感すらあります。

 大統領が兼任することで、崩壊は免れているようにも見えますが、その実、最高指導者の座を争う内紛状態にあるといっても過言ではないでしょう。

 イランは、今、国として崩壊の瀬戸際にあり、どうなるかはペゼシュキア大統領の手腕にかかっている状況です。

 

・イランによるホルムス海峡の封鎖

 ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾を隔てる海峡で、油田に近く、エネルギー輸送上の要とされています。

 最もエネルギー輸送が活発なラス・タヌラ、ラス・ラファンも、ペルシャ湾にあるので、海峡の内側です。

 一応、海峡の内側でなく、外側 (オマーン湾、紅海) にも拠点を作ろうという動きがでていますが、現状では、内側に頼りきりという状態です。また、油田は、内側の方が近く、外側の港に拠点を作ろうとすると、インフラの構築に莫大な資金が必要となります。ましてや、紅海側は遥か遠く、かつ、治安も良くないという問題もあります。

 この軍事侵攻の影響が、原油先物チャートによく表れています。

 

www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-CLv1%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on&OutSide=on

 

 軍事侵攻の始まった 2月28日から、急激に上昇しているのがよくわかります。

 

 また、エネルギー輸送以外の航空便の影響も出ています。

 欧州から日本へは、大西洋を渡り北米を経る北回りルートと、ドーハやドバイと言った中東の中継地点を経る南回りルートがあります。比較的早く着くのは南周りルートですが、この軍事衝突で使えない状態にあります。

 通常、2つあるルートが1つしか使えないということ、原油高、飛行距離が延びることで、航空運賃も高額となっているようです。

 もちろん、安全面から、来日をキャンセルせざるを得ないということも増えてくることが予想されます。

 これらの事から、日本への影響は、繁不足による物価の高騰、エネルギー価格の高騰、海外旅行者の減少、渡航制限、日本公演のキャンセルという感じで、身近な面でも影響を強く受けそうです。

 

民族、宗教的対立だけが原因ではない

 この軍事侵攻、当初はユダヤ民族 VS アラブ民族、ユダヤ教 VS イスラム教という構図でみてしまいましたが、空爆の報復に、周辺イスラム諸国もあり、単なる民族、宗教対立でないことがわかりました。

 まあ、そういう構図があるにはあるのでしょうが、それだけではなく、イスラム内、シーア派、スンニ派の対立も含まれることで、このように複雑化していると思います。

 簡単に説明すると、シーア派は血統主義、スンニ派は実力主義ってイメージで、派閥としてはスンニ派の方が大きいようです。

 また、今回、報復攻撃のあった諸国には米軍基地もあり、シーア派諸国からは同族として見られていないのかもしれませんね。

 

 

どうなるのかは、大国の思惑次第

 思えば 2026年1月、アメリカは、ベネズエラへ軍事侵攻し、米国に対し麻薬密売を行ったとして大統領を逮捕しました。そして 2月、イスラエルとともにイランへ軍事侵攻し、最高指導者を殺害しました。

 前者は、麻薬輸出に対する制裁。後者は、核施設の破壊。それぞれを目的としつつも、根本的には石油利権を入手するための軍事侵攻のように見えます。

 そして、ベネズエラが新中国政権だったこと、イランが中国の石油輸入相手国として重要なこと。そして、ホルムズ海峡を封鎖し、中国へのエネルギー輸送量を限定することを考えると、対中国姿勢を強めたようにも感じました。

 

 結果、米国と中国の覇権を争うという構図で、かつての Great Game の再来っぽくなってきましたね。

 Trump大統領は「Make America Great Agein」を標榜としており、いずれの軍事行動もそのためであると理解できます。重要なのはアメリカであって、それ以外の都合なんて一切顧みない傲慢さも、標榜と一致していてわかりやすいですね。

 アメリカは、中国の一帯一路、ロシアの中東進出を阻みたい。

 ロシア、中国、イランは、エネルギーを支配し、基軸通貨に対抗する。

 それぞれの陣営は置いといて、この戦争、発生した移民の押し付け合いみたいなところもあり、こいつらには人の心は無いんだなっていう絶望しか感じないのが最悪すぎる。

 また、日本にとっては、(距離的に) 対岸の火事のように映っている軍事衝突ですが、前述のとおり原油価格は高騰しており、更に、為替は円安傾向を強めていることから、これが長引くと極端な物価高を招きそうで、身近な危機感に震えてしまいます。

 

 一日も早く停戦し、平和が訪れることを祈らずにはいられません。